ワリエワ、涙のSP82.16点、暫定1位! ドーピング騒動渦中に出場、会場は拍手喝采
北京五輪は15日、フィギュアスケートの女子ショートプログラム(SP)が行われ、15歳カミラ・ワリエワ(ROC)は82.16点、暫定1位(26番滑走)とした。昨年12月のドーピング検査で陽性反応を示していたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が今大会の出場継続を認めて演技。世界的に物議と混乱を呼んでいた中、金メダル最有力候補が滑り切った。
北京五輪フィギュアスケート女子SP
北京五輪は15日、フィギュアスケートの女子ショートプログラム(SP)が行われ、15歳カミラ・ワリエワ(ROC)は82.16点、暫定1位(26番滑走)とした。昨年12月のドーピング検査で陽性反応を示していたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が今大会の出場継続を認めて演技。世界的に物議と混乱を呼んでいた中、金メダル最有力候補が滑り切った。
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淡い紫の衣装でリンクに現れたワリエワは、冒頭の3回転アクセルは着氷が乱れたが、続く3回転フリップは決めた。両手を上げて着氷。コンビネーションスピンを挟み、後半に高難度の3回転ルッツー3回転トウループを決めると拍手を浴びた。ジャンプだけではなく、ステップ、スピンも高い技術を披露。滑り終えると感極まり、涙を拭った。
会場には前回平昌五輪女王のアリーナ・ザギトワ、同銀メダルのエフゲニア・メドベージェワの姿も。演技後は立ち上がって母国の後輩に拍手を送った。会場は拍手喝采。ワリエワはキス・アンド・クライでコーチのエテリ・トゥトベリーゼ氏らと笑顔を見せ、カメラに向かって手を振った。
団体戦SPで自身が持つ世界歴代最高得点(90.45点)に迫る90.18点、フリーでも178.92点でともに1位に。衝撃の五輪デビューでROCの金メダルに大きく貢献した。しかし、その後に昨年12月のロシア選手権で採取された検体から禁止薬物トリメタジジンが検出されたことが明るみに。ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は暫定資格停止処分を解除したが、不服とした国際オリンピック委員会(IOC)らはCASに提訴した。
CASは14日、15歳という年齢が保護対象であることなどを理由に、個人戦出場を認める決定を下した。海外メディアやOB、OGから批判的な意見が多く飛び、物議を呼んだまま出場。通常24位以内の選手がフリーに進むが、今回は特別措置として25位まで進出する。IOCはワリエワが合計で3位以内に入った場合、メダル授与式は実施しない方針。ワリエワがメダルを獲得しても、今後の調査結果次第では剥奪される可能性もある。
「絶望」の異名を取る15歳。世界ジュニア女王の実績を引っ提げ、今季シニアデビューを飾ると、大国ロシアのエースに一気に躍り出た。4回転ジャンプを武器にSP、フリー、合計ですべて世界最高得点を樹立。グランプリ(GP)シリーズで2連勝、ロシア選手権、欧州選手権と連戦連勝で初の五輪を迎えていた。
(THE ANSWER編集部)