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2011年W杯と真逆の展開で勝利したウェールズ 菊谷崇「規律の大切さを痛感した」

元日本代表主将の菊谷崇氏【写真:編集部】
元日本代表主将の菊谷崇氏【写真:編集部】

正統派で手堅いゲームをするウェールズ「実はたくさん武器を持っている」

 フランスは今大会の初戦、アルゼンチン戦の時もそうでしたが、前半に若い選手の勢いで攻撃を畳みかけ、後半に一度、その勢いが止まってしまう戦い方でした。それだけに、前半に大きなリードをつけて折り返せば、後半どうなるのか。面白い展開になると見ていましたが、相手のレッドカードでアドバンテージを受けつつも、後半はウェールズがしっかりディフェンスを立て直した。今年のシックス・ネーションズで優勝した底力を見せましたね。

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 フランスは逆転されてから、FBがハーフウェーライン付近から敵陣にキックを蹴り込んだ場面がありました。結局、キックのコントロールを失って、相手がキャッチせずにデッドボールとなり、ウェールズのセンタースクラムで試合が再開したわけですが、これは完全にプレーの選択ミス。あそこはキックではなくボールを継続して、ドロップゴールなり、得点を狙うべき場面でした。決勝トーナメントではこういうミスも大きく響きます。

 台風の影響で12日の試合が中止になり、フランスはプール戦で3戦しかプレーしていません。それに対して、ウェールズは13日も試合をし、4戦を戦った。19日のイングランド-オーストラリアでも思いましたが、この1試合の差が、特に前半、選手の動きの差として大きく表れましたね。元々、フランスが前半に畳みかけ、ウェールズは守り抜くという構図があったにせよ、ここまで溜まった疲労の差があった。フランスはそのアドバンテージを生かし切れませんでした。

 さて、次は準決勝です。フィジカルの強いウェールズは守り抜くイメージが強いかもしれませんが、実はたくさん武器を持っているチーム。両WTBのジョシュ・アダムスとジョージ・ノース、そしてFBのリアム・ウィリアムズの3人は走る能力を持っているし、CTBのジョナサン・デービスは攻守がどちらも優れた選手。ただ、そのデービスは怪我のためか、試合当日に先発メンバーを外れてしまいました。

 セットプレーが強くて、ゲームをコントロールできる9番(SH)と10番(SO)がいる。自陣からキックを蹴り込んで、ディフェンスでプレッシャーを掛けてターンオーバーを狙う。そういった正統派で手堅いゲームをするウェールズは、この日のフランスのように前半にイケイケの攻撃を仕掛けられた時、自陣からどう脱出するかがカギになるでしょう。南アフリカはフィジカルも強いし、スピードもある。この対戦も面白い展開になりそうで楽しみですね。

(THE ANSWER編集部)

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