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五輪で日本快進撃、スノーボードの根底は「国より人」 消えないカルチャーが紛争の時代に灯す希望

スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」ではミラノ・コルティナ五輪期間中、連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」を展開。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和と、五輪を含めスポーツを40年追い続けた「OGGI」こと荻島弘一氏が“沼”のように深いオリンピックの魅力を独自の視点で連日発信する。第12回は、日本勢の快進撃が続いたスノーボードのカルチャー。

日本勢の快進撃が続いたスノーボードのカルチャーとは【写真:ロイター】
日本勢の快進撃が続いたスノーボードのカルチャーとは【写真:ロイター】

連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」第12回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」ではミラノ・コルティナ五輪期間中、連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」を展開。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和と、五輪を含めスポーツを40年追い続けた「OGGI」こと荻島弘一氏が“沼”のように深いオリンピックの魅力を独自の視点で連日発信する。第12回は、日本勢の快進撃が続いたスノーボードのカルチャー。

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 連日のメダルラッシュで、メダルの数は過去最多だった22年北京大会の18個を上回り、金メダルの数も1998年長野大会の5個に並んだ。大きく貢献しているのが、スノーボード。18日のスロープスタイルでは男女で金、銀、銅各1個を獲得した。ビッグエア、ハーフパイプと合わせたフリースタイル男女各3種目で金4、銀2、銅3。6種目中4種目を制し、18個のメダルのうち9個を獲得した。

 テレビで繰り返し報じられることで、スノーボードのカルチャーが再認識された。「順位に関係なくたたえ合う」「国の枠を超えてリスペクトしあう」。選手同士が笑顔で交流するのは夏季大会のスケートボードなどでも見慣れた光景だが、今大会は好成績もあって目立つ。

 冬季競技は夏季競技に比べて選手同士の関係性が密に見える(もちろん、競技ごとの濃淡はあるが)。選手同士が競技の後に触れ合う場面も多いから、その仲の良さが際立つ。互いの健闘をたたえて抱き合い、声をかけあう。ただ、そんな場面はスノボに限らない。

 普段から同じようにW杯などツアーを転戦する顔なじみ。ライバルでありながら親友でもある。家族以上に時間を共有している仲間もいるだろう。自分の順位など関係なく、友人の好パフォーマンスを喜ぶ。特別不思議なことでもない。

 さらに、彼らには「戦友」という意識もある。競技人口の減少などで五輪からの排除や縮小のピンチにある競技は少なくない。冬季大会はプログラムの余裕があるとはいえ、本格的に夏季競技の冬への移行が進めば現存の冬季競技は存亡も危ぶまれる。そんな状況を打破するためにも選手たちは一丸となって競技盛り上げのために戦う。

 もっとも、スノーボードは安泰だ。IOCが「若者人気獲得」のために98年長野大会で初採用した競技は、今や五輪の優等生で大会ごとに種目数を増やしている。スノーボーダーたちが「国の枠を超えて」に見えるのは、もともと「国の枠」がないから。彼らの根っこは「国を代表する」という五輪的な思想からかけ離れたところにある。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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