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五輪で韓国が「わいろ?」 視聴者仰天、実は珍しくない「審判席にお金」の理由…運営スムーズに

いろんなスポーツが行われる五輪を見ていると、それぞれの競技のルールやしきたりなど「よくよく考えると、これってなんで?」と不思議に思うことがないだろうか。スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はミラノ・コルティナ五輪期間中、連載「オリンピック・トリビア」を展開。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、そんな今さら聞けない素朴なギモンに回答。オリンピック観戦を楽しむトリビアを提供する。第9回は「抗議にお金が必要な理由」。

抗議で現金を渡したことで話題になったショートトラック韓国チーム【写真:ロイター】
抗議で現金を渡したことで話題になったショートトラック韓国チーム【写真:ロイター】

連載「オリンピック・トリビア」第9回

 いろんなスポーツが行われる五輪を見ていると、それぞれの競技のルールやしきたりなど「よくよく考えると、これってなんで?」と不思議に思うことがないだろうか。スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はミラノ・コルティナ五輪期間中、連載「オリンピック・トリビア」を展開。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、そんな今さら聞けない素朴なギモンに回答。オリンピック観戦を楽しむトリビアを提供する。第9回は「抗議にお金が必要な理由」。

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Q.どうして、抗議するのにお金がいるの?

A.無料にすると、抗議が殺到するから。

【解説】

 ショートトラックの混合リレー準決勝で、韓国チームの「抗議」が物議をかもしました。審判席に向かう韓国コーチの手に握られていたのが100スイスフラン(約2万円)の紙幣だったからです。「わいろ?」と思った人もいるでしょうが、これは「手数料」で「預り金」のようなもの。国際スケート連盟(ISU)のルール通りで、抗議が認められれば返還、認められない場合はISUに納付されます。

 実は、特に珍しいことではありません。24年パリ五輪のアーディスティックスイミングでは日本チームが採点見直しを要求する時に500スイスフランを支払いました。12年ロンドン五輪体操では、内村航平のあん馬の採点を巡り日本のコーチ陣が100ドル札を手に審判団に抗議。当時審判副委員長だった体操界のレジェンド加藤沢男さんは「映像だけ見たら、買収だと思うかも」と苦笑いしていました。

 陸上競技でも判定の見直しを要求するのは100ドル必要ですし、冬季競技でもボブスレーは200ユーロが求められます。もっとも、近年は「現金手渡し」は誤解も招くことも多く、各競技団体は大会後に当該協会に請求書を送るなど支払い方法もスマートになっています(抗議が認められた場合は請求されません)。

 費用がかかるのは、不要な抗議を避けるためです。最新技術で精度の高いビデオの見直しが可能になると、それを求める選手やチームが続発します。抗議が殺到すれば競技運営にも支障がでます。これを避けるために「有料化」しているのです。

 有料にする以外にも、ビデオで判定の見直しをする「チャレンジ」の回数を制限したり、抗議失敗で相手が有利になったりする競技もあります。さすがに、全世界に流れるテレビ画面で「わいろ」が渡されることはありません(笑)。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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