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平野歩夢は絶対逃げない 命を削り、突破を重ね…生き様が繋げた「日本スノボ黄金時代」の到来

スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」ではミラノ・コルティナ五輪期間中、連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」を展開。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和と、五輪を含めスポーツを40年追い続けた「OGGI」こと荻島弘一氏が“沼”のように深いオリンピックの魅力を独自の視点で連日発信する。第8回は、平野歩夢(TOKIOインカラミ)がもたらした「スノボ黄金時代」。

スノーボード男子ハーフパイプで7位となった平野歩夢【写真:森田直樹/アフロスポーツ】
スノーボード男子ハーフパイプで7位となった平野歩夢【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」第8回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」ではミラノ・コルティナ五輪期間中、連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」を展開。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和と、五輪を含めスポーツを40年追い続けた「OGGI」こと荻島弘一氏が“沼”のように深いオリンピックの魅力を独自の視点で連日発信する。第8回は、平野歩夢(TOKIOインカラミ)がもたらした「スノボ黄金時代」。

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 平野歩夢の5回目の五輪が終わった。大会直前の骨折で出場も危ぶまれる中、2回目のランを通して7位入賞。メダルにこそ届かなかったものの「今できるベストを」の言葉通り、ギリギリの状態でも最後まで挑戦する姿を見せた。「チャレンジ」。日本のシーンを引っ張ってきた平野の姿勢が、日本に「スノボ黄金時代」をもたらした。

 どこまでもチャレンジングだ。誰もが出場不可能と思うような大けがを負いながら「1%でも可能性があるなら」とあきらめなかった。「ひざの感覚がない」という状態で挑んだ決勝。試合後には「結果としては悔しい」と言いながら「生きててよかった」。命をかけてまでの挑戦が、最後まで平野らしかった。

 多くの五輪メダリストを見てきたが、平野は異質だ。誰もが4年に1回の大会で金メダルを取ることを目指し、そこから逆算して力をつけていく。しかし、平野は違う。もちろん、五輪のメダルは大きな目標であることは変わらないが、そこだけにフォーカスしているようには思えない。

 すべてが「チャレンジ」なのだ。目の前のできることに1つ1つ挑戦していく。挑戦を繰り返した先に五輪がある。「チャレンジ」を決めたら、逃げることはない。リスクを恐れることもない。身体を張り、命を削り、とことん向き合って突破してきた。

 18年11月、スケートボードで東京五輪に挑戦すると表明した時、無謀だと思った。スノボと並行してやっていたのは知っていたし、二刀流は話題にもなった。ただ、現実的には出場は至難。父・英功さんですら「無理じゃないかな」と話していたほどだ。

 それでも「チャレンジできるのにスルーする選択肢はない」と言い切った。22年北京五輪で金メダルを狙うことを考えたら、とんでもない遠回り。東京五輪が新型コロナ禍で1年延期になり、北京五輪までの期間は半年になった。周囲から「スノボに専念したほうが」という声が出るのも無理はなかった。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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