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高梨沙羅の涙、浅田真央の伝説、ふなき~…冬季五輪は壮大なドラマ “10秒”のために4年の苦難

スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」ではミラノ・コルティナ五輪期間中、連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」を展開。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和と、五輪を含めスポーツを40年追い続けた「OGGI」こと荻島弘一氏が“沼”のように深いオリンピックの魅力を独自の視点で連日発信する。第6回は、冬季五輪が壮大なドラマである理由。

スキージャンプ混合団体で銅メダルを獲得し涙した高梨沙羅【写真:ロイター】
スキージャンプ混合団体で銅メダルを獲得し涙した高梨沙羅【写真:ロイター】

連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」第6回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」ではミラノ・コルティナ五輪期間中、連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」を展開。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和と、五輪を含めスポーツを40年追い続けた「OGGI」こと荻島弘一氏が“沼”のように深いオリンピックの魅力を独自の視点で連日発信する。第6回は、冬季五輪が壮大なドラマである理由。

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 冬季五輪は壮大なドラマでできている――。そう思わせてくれるスキージャンプ混合団体のメダル獲得だった。22年北京大会のスーツ規定違反による失格、泣き崩れる高梨沙羅を小林陵侑が抱きしめる。そんな場面を知っているからこそ、うれし涙に胸が打たれる。

 4年に1回の五輪だからこそ、数々のドラマが生まれる。失意の中から立ち上がり、苦難を乗り越えて再び五輪舞台に立つ。「五輪の悔しさは五輪でしか晴らせない」というが、4年は決して短くない。それでも、リベンジの場は「どうしても」五輪しかない。

 高梨だけではない。そういうドラマが散りばめられているのが、人を引き付ける五輪の魅力でもある。冬季大会でも、夏季大会でも、大会をまたいでストーリーが紡がれるが、冬季大会は特にその数が多く、密度が濃いと感じる。

 冬季競技は夏季競技と比べて競技人口が少ないこともあって、長く大会に出続ける選手が多いように思う。もちろん競技にもよるが、ジャンプ女子の高梨と伊藤有希は4回目の出場。勢藤優花は3回目。個人ノーマルヒルで銅メダルを獲得した丸山希は初出場だが、大けががなければ22年北京大会に出場していただろう。

 今回は出場できなかったが、ジャンプ界のレジェンド葛西紀明は日本選手夏冬合わせて最多の8回出場している。スノーボード女子の竹内智香は7大会連続出場、ノルディック複合の渡部暁斗も6回目だ。回を重ねるごとに、それぞれのストーリーのページは増える。

 20歳前後が活躍するスノーボードのように、新鮮な若手が活躍するのも楽しいが、やはりドラマを背負った選手には感情移入してしまうもの。普段あまりなじみがなく、五輪の時だけ注目されるから、ドラマがより強烈に感じるのかもしれないが。

 今も多くの人の記憶に残っているのは、1998年長野五輪スキージャンプ団体の金メダルだろう。原田正彦の「ふなき~」で知られる名シーンを鮮やかにしているのが、94年リレハンメル大会での失敗ジャンプ。4年越しのドラマがあったから、金メダルが一層輝いた。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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