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フィギュア日本、五輪に増え続ける団体戦の意義 示した「+α」…坂本花織も腐心した「一体感」醸成

フィギュアスケート団体に出場したエースの坂本花織【写真:ロイター】
フィギュアスケート団体に出場したエースの坂本花織【写真:ロイター】

エース坂本が強く望んだ団体メダル…テレビ画面でも伝わる「一体感」

 88年カルガリー大会からノルディック複合とジャンプの団体戦、スケートショートトラックのリレーが始まった。日本は複合団体で92年アルベールビル、94年リレハンメル大会を連覇。ジャンプでも98年長野大会で金メダルを獲得している。ともに日本の五輪史に残る名シーンだ。

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 その後も団体種目は増え続け、スピードスケートも2006年トリノ大会から団体パシュートを実施。18年平昌大会では高木美帆らが金メダルを手にした。14年以降は男女が一緒に戦う混合種目も増え、22年大会からはジャンプやスキーエアリアル、スノーボードクロスで採用。今大会では実に20種目以上も団体やリレーが行われる。

 五輪は「国家間の争い」ではないし、IOCも公式には国別のメダル数を発表していない(現実的には分かるけれど)。国や地域を代表して出場はしていても、あくまで個人。「国威発揚の場」になることを嫌い、恐れるからだ。

 それでも団体戦は増え続ける。エンタメとして大会は盛り上がって視聴者も増えるし、選手数を増やさずに種目数を増やせる。商業的な意味合いも強いが、根底には「スポーツの素晴らしさ」をアピールしたい思いがあると信じたい。

 仲間を認め合い、大切に思う。心のバトンをつなぎながら励まし合い、協力し、高め合う。チーム内でも相手チームとの間でも「絆」はより深まる。開会式のテーマでもあった「ハーモニー(調和)」には、そんな意味もみえる。

 フィギュアスケートの団体戦には課題もあると思う。個人戦までの日程の問題もあって、どこまで本気で戦えるかも疑問に思っていた。実際に、当初は「おまけ」の感も強かった。特に男女シングルで「勝負」してきた日本にとっては、負担が大きいようにも思えた。

 実際に、過去の大会では団体戦を終えた選手が「本番では」と発言したことがあった(すぐに「個人戦では」と訂正はしたが)。団体戦のメダルが現実的ではない以上、正直な言葉だろう。「本番」に向けて氷の状態や会場の雰囲気をチェックするなどの意味しかなかったかもしれない。

 しかし、今回は違った。女子のエース坂本は強く団体のメダルを望んでいたし、練習拠点がバラバラな選手を1つにするために腐心したという。テレビ解説者は「今回のチームは仲がいい」と言った。これまでが不仲だったわけではないだろうが、これまでにない「一体感」はテレビ画面でも伝わった。

「このメンバーでよかった」と選手たちは声をそろえた。それほど、みな団体への思いが強かった。「本番」のシングルはまだなのに、坂本は最高の笑顔を見せながら「自信を持って堂々と帰国できる」と言った。これまで懐疑的に見ていたことを反省しながら、心から「団体は素晴らしい」と思った。(荻島弘一)

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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