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ミラノ開会式、印象付けた「新しい五輪」 1都市で困難に…広域開催は“壮大な実験”のスタート

スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」ではミラノ・コルティナ五輪期間中、連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」を展開。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和と、五輪を含めスポーツを40年追い続けた「OGGI」こと荻島弘一氏が“沼”のように深いオリンピックの魅力を独自の視点で連日発信する。第2回はミラノ五輪の開会式について。

ミラノ五輪の開会式【写真:ロイター】
ミラノ五輪の開会式【写真:ロイター】

連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」第2回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」ではミラノ・コルティナ五輪期間中、連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」を展開。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和と、五輪を含めスポーツを40年追い続けた「OGGI」こと荻島弘一氏が“沼”のように深いオリンピックの魅力を独自の視点で連日発信する。第2回はミラノ五輪の開会式について。

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 開会式は「新しい五輪」を実感させられる演出だった。メイン会場のミラノ・サンシーロでマライア・キャリーが美声を響かせると、イタリアの文化や伝統を「これでもか」と次々と詰め込んだ演出が続く。「新しい五輪」を強く印象付けたのは、4会場で同時に行われた入場行進だった。

 スケートなど氷競技が行われる都市部のミラノ、雪競技のコルディナ・ダンペッツォ、プレダッツォ、リピーニョで同時に選手が入場を始める。これまでは入場行進は1か所に集まって行われるのが恒例だった。氷競技と雪競技の会場が離れている場合は移動の負担が考慮されて参加できない選手もいたが、各会場での分散行進で選手の負担は軽減された。

 テレビでは次々と画面が切り替わってストレスは感じなかったが、各会場では戸惑いもあったようだ。入場行進の先頭は五輪発祥のギリシャと決まっているが、サンシーロでは選手不在で、国名が書かれたプラカードだけ。もちろん、大型ビジョンでは他会場の様子も見られたが、プラカードだけの「選手団」が多かったのも事実だ。

 もともと夏季大会と比べて選手数は圧倒的に少ない。24年のパリ大会には約1万1000人が参加したが、今回は約2900人と4分の1程度。92の国と地域のうち半数は5人以下、1人の選手団も多いから、各会場が「すかすか」になるのも仕方がない。

 それぞれの行進をバーチャルでメイン会場に映し出し、選手全員がいるような演出にすればとも思った。コスト面など課題はあるかもしれないが、技術的にはそれほど難しくないような気もする。夏冬を問わず選手たちが「オリンピックを感じる」と口をそろえる開会式に、多くの選手が参加できるとすれば「アスリートファースト」になるのではとも思う。

 聖火もミラノとコルティナで同時に点火されるなど、五輪史上初の「複数都市開催」を強調する内容だった。開会式のテーマでもあるアルモニア(調和)は、ミラノとコルティナという都市部と山間部の調和でもあった。

 24年の夏季パリ大会まで、五輪は基本的に「1都市」で行われてきた。サッカーのW杯などが「国」単位で開催されてきたのに対して、五輪は「都市」。国の枠を外し、競技の枠を超えて1つの都市に集まることに五輪の意味があった。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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