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世界陸上で期待「なぜ日本はリレーが強い?」 波乱、ライバル数…バトン技術だけじゃない注目点

陸上の世界選手権東京大会は連日熱戦が繰り広げられている。スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」は期間中、スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、今さら聞けない素朴なギモンに回答する連載を展開。第7回は「日本はどうしてリレーが強いの?」。

東京世界陸上の400mリレー予選を走る桐生(左から3番目)と鵜沢(同4番目)【写真:中戸川知世】
東京世界陸上の400mリレー予選を走る桐生(左から3番目)と鵜沢(同4番目)【写真:中戸川知世】

第7回「日本はどうしてリレーが強いの?」

 陸上の世界選手権東京大会は連日熱戦が繰り広げられている。スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」は期間中、スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、今さら聞けない素朴なギモンに回答する連載を展開。第7回は「日本はどうしてリレーが強いの?」。

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Q.日本はどうしてリレーが強いの?

A.ライバルが少ないから

 世界選手権では17年ロンドン、19年ドーハと連続銅メダル、五輪では08年北京と16年リオデジャネイロで銀メダルを獲得。最近は男子4×100メートルリレーが世界大会で最もメダルを期待できる種目になりました。

 急に強くなったわけではありません。五輪では1992年6位、96年5位、2000年6位とメダルが見えていました。01年に採用された「アンダーハンドパス」が、さらなる成績向上に貢献しました。一般的なオーバーハンドパスより技術的に難しい反面、習得すればミスが少なく、スムーズな加速ができます。日本選手の特性にあった技術が、メダル獲得に結びついたのは間違いありません。

 ただ、もう少し現実的な話をすれば、ライバルが少ないことも大きいといえます。短距離走の国別出場枠は3。決勝になれば、米国やジャマイカなど強豪国の選手が複数並びます。しかし、リレーは1か国1チーム。さらに、バトンミスなどで強豪国が脱落することも珍しくありません。

 08年北京五輪では米国やナイジェリアがミスし、英国が失格。決勝1位のジャマイカも後にドーピング違反で失格しています。波乱が起きやすいのもリレーの特徴、一瞬の勝負になる陸上短距離ではなおさらです。

 もちろん、日本の強さは選手個々の努力やチーム戦術があってこそ。バトンパスの位置やタイミングなど科学的なアプローチも進んでいます。米国に先着したリオ五輪の銀メダルは実力で世界を驚かせました。個人競技の陸上で、リレーはチームの「総合力」が勝負。それも、日本が強い理由の1つなのは間違いありません。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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