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陸上ハードル種目のギモン「なぜ男子は110m、女子は100m?」 中途半端に感じる「10m」のワケ

陸上の世界選手権東京大会は連日熱戦が繰り広げられている。スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」は期間中、スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、今さら聞けない素朴なギモンに回答する連載を展開。第5回は「どうして男子のハードルは110メートルで、女子は100メートルなの?」。

男子110メートル障害で5位入賞を果たした村竹ラシッド(中央)【写真:中戸川知世】
男子110メートル障害で5位入賞を果たした村竹ラシッド(中央)【写真:中戸川知世】

第5回「どうして男子のハードルは110メートルで、女子は100メートルなの?」

 陸上の世界選手権東京大会は連日熱戦が繰り広げられている。スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」は期間中、スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、今さら聞けない素朴なギモンに回答する連載を展開。第5回は「どうして男子のハードルは110メートルで、女子は100メートルなの?」。

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Q.どうして男子のハードルは110メートルで、女子は100メートルなの?

A.競技の歴史が違うから

 村竹ラシッドが5位入賞した種目、男子110メートルハードルを見て疑問に思う人がいるかもしれません。女子のハードルは100メートルで、距離が違うのです。種目の男女統一が進む中、今大会も男女で異なるのは混成競技(男子十種、女子七種)と短距離のハードルだけです。

 距離が違うのは、歴史に関係があります。110メートルハードルの歴史は古く、1896年の第1回アテネ五輪から行われています。当時の種目数は男子のみで12(パリ五輪は全48種目)。いかに重要だったかが分かります。

 110メートルというと中途半端に感じますが、もともと120ヤード(109.7メートル)でした。1864年にヤードポンド法を用いる英国でルールができたために、この距離になりました。ハードル間の距離を30フィート(9.14メートル)にするなど、今もヤードポンド法が強く残っています。

 五輪で女子の100メートルハードルが始まったのは1972年ミュンヘン大会から。32年ロサンゼルス大会から68年メキシコ大会まで行われていたのは80メートルハードル。最初からメートル法で距離を決めていたのです。

 陸上競技は歴史が古いだけにヤードポンド法時代の名残がある種目も少なくありません。ハンマー投げのハンマーは男子が7.26キロ(約16ポンド)で女子が4.00キロ(8.8ポンド)。これも男子はヤードポンド法、女子はメートル法です。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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