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五輪ではなく世界陸上が「真の世界一決定戦」なのはなぜ? 違いは参加人数、険しい優勝への道

陸上の世界選手権東京大会が13日に開幕。スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」は期間中、スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、今さら聞けない素朴なギモンに回答する連載を展開。第3回は「五輪と世界陸上って、どっちが価値が上なの?」。

陸上競技の花形、男子100メートルは五輪・世界陸上ともに盛り上がる【写真:中戸川知世】
陸上競技の花形、男子100メートルは五輪・世界陸上ともに盛り上がる【写真:中戸川知世】

第3回「五輪と世界陸上って、どっちが価値が上なの?」

 陸上の世界選手権東京大会が13日に開幕。スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」は期間中、スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、今さら聞けない素朴なギモンに回答する連載を展開。第3回は「五輪と世界陸上って、どっちが価値が上なの?」。

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Q.五輪と世界陸上って、どっちが価値が上なの?

A.名誉は五輪だけど「世界一」は世陸で決まる

【解説】

 世界陸上の正式大会名は「World Athletics Championships(世界陸上競技選手権)」。この大会の優勝者が「World Championships」です。五輪は陸上だけでなく30以上ものスポーツが行われる総合競技大会。世界陸上は単独競技の大会としては最も大きなものの一つです。

 五輪と世界選手権の特徴的な違いは、参加人数にあります。陸上は他の競技ほど大きな差はないとはいえ、パリ五輪の約1800人に対して今大会は2200人ほど。優勝への道はより険しくなるわけで、だからこそ「真の世界一決定戦」とも呼ばれるのです。

 もっとも、4年に1度の五輪に対して世界陸上は1991年の東京大会以降2年に1度。「世界王者」は「五輪金メダリスト」の倍誕生します。注目度から言っても、圧倒的に五輪が優勢。選手たちが最大の目標として掲げるのも「五輪金メダリスト」です。

 五輪前年と五輪翌年に行われる世界陸上は「世界王者」を決める大会であるとともに「五輪金メダリスト」を占う大会でもあります。特に五輪前年の大会は五輪代表選考を兼ねる場合もあって「五輪前哨戦」の意味合いが強いのが現状です。パリ五輪の余韻も残る今大会は、28年ロサンゼルス五輪への第一歩。3年後の五輪に向けてのニュースターの誕生も、見どころの一つになります。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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