ヤ軍ジャッジIL入り、負傷部位は「筋肉のシートベルト」 専門家に聞いた再発リスクと復帰時期
ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が右肘内側の屈筋腱損傷で負傷者リスト(IL)入りすることが発表された。三冠王を狙うスラッガーが抱えた怪我について、トップアスリートの専属トレーナーを務める芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長に聞いた。

ジャッジがIL入り
ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が右肘内側の屈筋腱損傷で負傷者リスト(IL)入りすることが発表された。三冠王を狙うスラッガーが抱えた怪我について、トップアスリートの専属トレーナーを務める芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長に聞いた。
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屈筋腱は、肘の内側にある前腕の屈筋群(手首や指を曲げる筋肉)が束になって肘の内側上顆(肘の内側の出っ張り部分)に付着する腱です。この腱は、バッティング時の手首の返しや、ピッチングの際には手のひらを下に向ける際の前腕の回内動作を支える重要な役割を担っています。
特に重要なのは、肘の内側側副靱帯(UCL)と協調して肘関節の内側を守る「筋肉のシートベルト」としての機能です。投球時には肘に強い外反ストレス、つまり肘を外側に開こうとする力がかかりますが、屈筋腱は動的な支えとなってUCLへの負担を軽減します。
MLB全体の屈筋腱損傷の統計を見ると、投手が約8割、野手は約2割と報告されています。投手に比べると少数派ですが、打者にとっても決して無視できない怪我と言えます。
打者が屈筋腱を痛める主な原因は、スイングの終盤でバットを減速させる際、腱が急激に伸ばされストレスがかかることです。特に外角球を強引に引っ張るスイングや、チェックスイングで急に動作を止める際に、腱に大きな負荷が集中します。
これらの動作を繰り返すことで、腱に微細な損傷が蓄積され、ある日突然大きな損傷として表面化するのです。特に外角球を強く引っ張るスイングでは、内角球を打つ時よりも肘内側に高いトルクがかかることが研究で明らかになっています。
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