開会式の入場行進はいつ頃からやってる? 導入は意外なきっかけ、今回のパリ五輪は画期的な形に
スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。
「シン・オリンピックのミカタ」#4 連載「オリンピック・トリビア」第3回
スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。
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今回は連載「オリンピック・トリビア」。いろんなスポーツが行われる五輪を見ていると、それぞれの競技のルールやしきたりなど「よくよく考えると、これってなんで?」と不思議に思うことがないだろうか。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、そんな今さら聞けない素朴なギモンに回答。オリンピック観戦を楽しむトリビアを提供する。第3回は「開会式の入場行進って、いつからやっているの?」。
◇ ◇ ◇
Q.開会式の入場行進って、いつからやっているの?
A.第4回の1908年ロンドン大会から
【解説】
今大会の開会式は26日午後7時30分(日本時間27日午前2時30分)から行われます。夏季大会では初めて競技場外、パリを代表するセーヌ川が会場になります。目玉になるのが、選手の「入場」。選手たちは旗手の持つ国旗とともに船に乗り、約6キロ川を下ってメインの式典会場であるトロカデロ広場に向かいます。
今回は画期的な形になった「入場行進」が始まったのは第4回の1908年ロンドン大会から。この大会からオリンピックには、各国のオリンピック委員会(日本ならJOC)を通して参加が認められるようになり「各国代表」という考え方が広まりました。
それまでのオリンピックは個人やチーム単位での参加が認められ、複数の国の連合チームも存在していました。第4回大会からは、国を代表するという意識を高めるために、選手たちは国旗を先頭に入場行進したのです。
もう1つ、開会式には「オリンピックの独立」という大きなテーマもありました。第2回パリ大会と第3回セントルイス大会は、ともに同時期に開催されていた万国博覧会の中で行われました。オリンピックとしての開会式も行われずに、万博の1イベントになってしまったのです。
オリンピック創始者のクーベルタン男爵は、これを憂慮。大会を「独り立ち」させるために開会式を行い、出場する選手たちに行進をさせたというわけです。開会式の入場行進はこれ以降、すべての大会で行われています。
ちなみに、開会式には参加各国の首脳も招待されます。大会の警備当局が最も神経を使うのも開会式。今回も厳重なテロ対策がとられています。
(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)