なぜ、錦織圭はフェデラーに勝てたのか 4年半ぶりの撃破に見る2つの勝因とは
男子テニスのツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(英ロンドン)は11日(日本時間12日)、予選リーグ初戦が行われ、世界ランク9位の錦織圭(日清食品)が同3位のロジャー・フェデラー(スイス)を7-6、6-3のストレートで破り、好発進を決めた。これまで対戦成績は2勝7敗で、今年も2戦2敗と苦しめられてきたフェデラー相手に、錦織はなぜ勝つことができたのか? プロテニス選手の綿貫敬介(明治安田生命)は「対応力」と「集中力」を2つの勝因として分析している。
4年半ぶり勝利の要因を専門家に聞く
男子テニスのツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(英ロンドン)は11日(日本時間12日)、予選リーグ初戦が行われ、世界ランク9位の錦織圭(日清食品)が同3位のロジャー・フェデラー(スイス)を7-6、6-3のストレートで破り、好発進を決めた。これまで対戦成績は2勝7敗で、今年も2戦2敗と苦しめられてきたフェデラー相手に、錦織はなぜ勝つことができたのか? プロテニス選手の綿貫敬介(明治安田生命)は「対応力」と「集中力」を2つの勝因として分析している。
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「今回はフェデラー選手にらしさがありませんでした。ここまでストレスを感じながらプレーする姿は滅多に見られません。かなりの不調だったと思います。おそらく今回のインドアハードのサーフェスに完全にマッチしていなかったのか、明らかにショットの精度が低かった。ミスも多かった印象があります。錦織選手はそんなフェデラー選手に対して、素晴らしい対応力を示しました」
実弟でプロテニスプレーヤーの陽介(日清食品)のコーチも兼任する綿貫はこう語った。いつもの華麗かつ、完璧なプレーが影を潜めたフェデラーに対して、ロンドンのO2アリーナのインドアハードでの錦織の対応力が輝いたという。
「錦織選手は本調子ではないフェデラー選手に対して、サーブアンドボレーを多用しました。フェデラー選手のここまでの不調は予想できなかったと思うので、試合前のゲームプランではなかったでしょう。さすがの対応力です。特にファーストセットの終盤にネットに出る頻度を高めましたが、フェデラー選手にストローク戦のリズムを掴ませませんでした。サーブアンドボレーも、バックハンドにサーブを打ちネットを取る場面が多かった。ボディサーブのコンビネーションも要所で光った印象があります」