W杯優勝を目指す日本がアジア8強で散った重い事実 佐藤寿人の警鐘「5試合で2敗、あまりに淡泊な終了」
韓国の戦いと比較「日本はあまりにも淡泊に…そこは非常に残念」
オフサイドで救われたシーンもありましたし、被決定機も多かった。正直に言えばもっと点を取られてもおかしくなかった内容です。イランは日本に勝って泣いている選手がいました。もし日本がイランに勝っていたとしても泣く選手はいないと思います。相手はそれくらいの覚悟でこの一戦にすべてを懸けていました。
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このチームの目標であるW杯優勝を考えるとカタール大会で見せたアルゼンチンのようなタフさが求められます。決勝までの7試合を戦ったアルゼンチンとアジアカップの5試合でタフさを見せられなかった日本代表ではまだまだ厳しい状況で勝ち抜く力が足りないことも感じました。
一方で、韓国は内容が良くないながらも、苦しみながらも勝ち上がっています。グループリーグ2位突破ながらも、ラウンド16ではサウジアラビアをPK戦で破り、準々決勝のオーストラリア戦は延長戦の末に逆転勝利。あの粘り強さや我慢強さは学ばなければいけませんし、時として必要な力だと思います。日本はあまりにも淡白に大会が終わってしまった印象があって、そこは非常に残念です。
大会全体を通しても選手が持っている力を発揮できなかった印象が強いです。でも、一方で内容に関係なく、しぶとく勝ち上がっていく術も身につけるべきかと思います。この世界は結果がすべてなので、勝ったほうが正しいと言わざるをえないですし、このアジアカップで収穫があったかといったらそれほど多くないと思います。
大きな期待感があるからこそ、非常に悔しい結果になりました。選手が持っているポテンシャルはこんなものではないはず。力でねじ伏せる場面をもっと見たかったという思いもあります。そこは、足りなかったと言われても仕方ない結果でしょう。
この教訓を生かすも殺すも自分たち次第。選手個々は高いレベルの日常にいるはずなので、あとは代表チームとしてどれだけ強度の高い試合をこなしていけるか。5点以上奪えてしまう親善試合のマッチメイクにはあまり意味がありません。世界との差を縮めていくための戒めとして、ベスト8という結果と真摯に向き合うべきです。
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)