衝撃の60mドリブル、帰ってきた日本の至宝・三笘薫の存在感 佐藤寿人「アジアでは格の違いが顕著」
サッカー・アジアカップカタール大会は31日、決勝トーナメント1回戦で世界ランク17位の日本が同86位のバーレーンに3-1で快勝し、8強入りを決めた。「THE ANSWER」は中継局のレポーターとして現地取材し、この試合をピッチレベルから見守った元日本代表FW佐藤寿人氏の解説を掲載する。堂安律の先制点に凝縮された日本の連動性、60メートルドリブルで沸かせた日本の至宝・三笘薫の存在感など、独自の視点でノックアウトステージ初戦のポイントを分析した。(取材・構成=藤井 雅彦)
ピッチレベルで見守った元日本代表FW佐藤寿人氏が「THE ANSWER」で解説
サッカー・アジアカップカタール大会は31日、決勝トーナメント1回戦で世界ランク17位の日本が同86位のバーレーンに3-1で快勝し、8強入りを決めた。「THE ANSWER」は中継局のレポーターとして現地取材し、この試合をピッチレベルから見守った元日本代表FW佐藤寿人氏の解説を掲載する。堂安律の先制点に凝縮された日本の連動性、60メートルドリブルで沸かせた日本の至宝・三笘薫の存在感など、独自の視点でノックアウトステージ初戦のポイントを分析した。(取材・構成=藤井 雅彦)
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試合序盤は守備時に4-1-4-1のシステムで構えてくるバーレーンに対して攻めあぐねた印象があります。その理由は、前線の選手たちに足元でボールを受ける動作が多く、スペースへ出て行くようなアクションが少なかったからです。もう少し相手の最終ラインを下げさせるようなチャレンジが必要で、ボールホルダーにとってのオプションにならなければ相手の守備ブロックを崩すのは難しい。
その観点で言えば、先制点のシーンは各選手がタスクをこなした結晶のようなゴールでした。左サイドで中村敬斗選手が幅を取り、縦へ仕掛ける仕草を見せながら切り返して中央へ。ボールを引き取った遠藤航選手が時間を作っているタイミングで、最前線の上田綺世選手がダイアゴナルのランニングを仕掛ける。この動きにセンターバックが釣られたことでスペースが生まれました。
毎熊晟矢選手のミドルシュートはたしかに素晴らしかったですが、あのスペースと時間は偶発的にできたものではありません。チームとして狙いを持ってボールを動かしたからこそ、です。こぼれ球を押し込んだ堂安律選手もオフサイドラインを意識して一度足を止め、そこからしっかりと詰めた。各選手の良い動きが連動したことで、主導権を握るきっかけとなる得点が生まれました。
前半にリードできたのは本当に大きい。バーレーンの攻撃にはあまり怖さがなく、長いボールを放り込まれてもセンターバックの冨安健洋選手と板倉滉選手が確実に跳ね返せました。特に冨安選手の安定感は別格で、ヘディングで闇雲にクリアするのではなく味方にパスをつなげる。相手にセカンドチャンスを与えず、自分たちの攻撃回数を増やすプレーです。
久保建英選手も良い時間帯に決めてくれました。試合の入りから守備の時は2トップ気味になり、プレスの矢印となる役割を担っていた。プレスバックでも反応が早く、ゴールシーンも自らボールを奪ったところが起点でした。最後まで足を止めずに裏抜けのランニングをしたことで、チャンスボールがやってきました。次戦以降に向けても大きな価値のある大会初ゴールになりました。