1位通過を逃した日本の茨の道を前向きに考えるべき理由 佐藤寿人「W杯8強より高い目標達成には…」
1位通過じゃなくても「ポジティブにとらえるべき状況」その理由とは
望んでいた1位通過ではありませんが、結果的にラウンド16以降の日程がよりタイトになって対戦相手のレベルも上がることは、日本にとってポジティブにとらえるべき状況かもしれません。このチームには高い目標があります。ワールドカップでのベスト8進出という新しい景色を見るチャレンジから、さらに目標を上方修正しています。それを達成するためにはもっとタフで厳しい戦いを経験する必要があるかと思います。順当に勝って、順調にアジアカップを制しても、得るものは正直あまり多くはないはずです。
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選手たちの目線や強度はアジアよりも上のレベルにあるはずですから、ラウンド16から中2日で準々決勝、中3日で準決勝、さらに中2日で決勝と続く道のりをしっかりと踏破してもらいたいと思います。楽な試合は1試合もないでしょうし、越えなければいけない壁は2位通過によってさらに高くなりました。勝ち進むことで、さらにアウェイの雰囲気になっていく状況も予想されます。そういった困難を乗り越えて勝ち取るアジアカップにこそ大きな価値があるはずです。
グループリーグ3試合に簡単な試合はなかった事実からも、個で局面を打開できる三笘薫選手があらためてスペシャルな存在であることが浮き彫りになりました。でも、ここまで一度もベンチに入れていない状況を考えると、この先もあまり無理をさせられないのかもしれません。まずはしっかりと怪我を治すことが最優先ですし、チームとしても三笘選手がいなければ優勝できないチームではいけない。
彼がこの先の試合を欠場することになったとしても、選手は十分にいます。2試合に先発した中村選手が経験を積めているのもプラスに働くでしょうし、他にもいろいろな選択肢があるはずです。組織として左のストロングをいかにして作り出していくかが、アジア制覇を目指す上でのポイントになるかもしれません。
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)