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バスケ日本、八村塁が加わればパリ五輪へアップグレード 渡邉拓馬「楽しみは富樫と河村のPG争い」

バスケットボールのワールドカップ(W杯)日本・フィリピン・インドネシア共催大会は2日、順位決定リーグ第2戦で世界ランク36位の日本が同64位カーボベルデを80-71で下し、アジア勢1位が確定。48年ぶりに自力でのパリ五輪出場を決めた。元日本代表・渡邉拓馬氏(京都ハンナリーズGM)はカーボベルデ戦を通して今大会を総括。出場権を獲得したパリ五輪に向け、今大会は出場を辞退した八村塁の参加、富樫勇樹と河村勇輝のポイントガード争いに注目した。(構成=藤井 雅彦)

パリ五輪出場を決めたバスケ日本代表【写真:(C)FIBA】
パリ五輪出場を決めたバスケ日本代表【写真:(C)FIBA】

バスケットボールW杯順位決定リーグ

 バスケットボールのワールドカップ(W杯)日本・フィリピン・インドネシア共催大会は2日、順位決定リーグ第2戦で世界ランク36位の日本が同64位カーボベルデを80-71で下し、アジア勢1位が確定。48年ぶりに自力でのパリ五輪出場を決めた。元日本代表・渡邉拓馬氏(京都ハンナリーズGM)はカーボベルデ戦を通して今大会を総括。出場権を獲得したパリ五輪に向け、今大会は出場を辞退した八村塁の参加、富樫勇樹と河村勇輝のポイントガード争いに注目した。(構成=藤井 雅彦)

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 自分たちが今までやってきたことを出せれば勝てる自信はあったと思います。ただ、何が起こるか分からないスポーツなのは苦しみながら勝利を掴んできた自分たちが一番よく知っている。カーボベルデは世界ランキングだけを見れば日本よりも下位のチームですが、だからこそメンタル面の準備が難しい試合だったとも言えるでしょう。

 でも心配は杞憂に終わりました。フル出場した渡邊雄太選手やジョシュ・ホーキンソン選手、それから今大会で完全にブレイクした河村勇輝選手は活躍するのが当たり前の選手で、彼らがコンスタントに仕事をすれば日本は強い。それに加えてベネズエラ戦が本調子ではなかった富永啓生選手も存在感を示し、富樫勇樹選手はベテランらしくゲームを作ってくれました。

 富永選手のようなシューターは1本目を決めると、その後も気持ちよく打てるもの。実際に1本目の3Pシュートから6本連続で決めたように、調子に波はあっても爆発力を発揮することでチームに怖さをもたらしました。それにしても見ていて気持ちがいい選手です。一点の曇りもなく打ち切れる選手はそんなに多くないですし、本当に心強い。自分のタスクに対して迷いがないこともよく分かります。

 3Pシュートを落とした場面でも決してネガティブな表情を見せないメンタルも素晴らしい。今までの日本にいないタイプのシューターで、彼はドライブからのレイアップも上手い。シュートスキルに関して言うことは何もありません。欲を言うと、将来的にPGもできるような技術や落ち着きが身に付けば日本にとって大きなオプションになるはず。ワンポイントでもいいので彼が1番をやって、2番に比江島慎選手が入るような時間帯が出てくると、違った特徴を持つチームとして面白いと思います。

 第4Qはこの試合だけでなく大会全体の疲れもあったのでしょう。なかなかシュートが決まらず、スコア上は追い上げられる展開でした。でもタイムアウト中の表情や雰囲気を見ても落ち着いていた様子でしたし、点差を詰められても勝ち切れるだけの余力はあった。第3Qまでに作った点差が効いていて、序盤からの流れを考えると危なげない勝利でした。

 日本はこのW杯という大会を通して確実に成長しました。負けたドイツやオーストラリアは世界屈指の強豪ですし、逆転勝ちしたとはいえフィンランドも格上。ベネズエラも試合巧者でした。さまざまなタイプの相手と、いろいろなシチュエーションの試合を戦い、貴重な経験を積めた。日本バスケットの力を世界に知らしめた大会として記憶されるはずです。

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