W杯バスケ日本を救った「比江島タイム」発動の理由 渡邉拓馬「センスは他の選手とは格が違う」
バスケットボールのワールドカップ(W杯)日本・フィリピン・インドネシア共催大会は31日、順位決定リーグで世界ランク36位の日本が同17位のベネズエラに86-77で逆転勝ち。自力では48年ぶりとなるパリ五輪出場に王手をかけた。チーム最年長33歳・比江島慎が第4クォーター(Q)に17得点を挙げ、両チーム最多23得点をマーク。勝利の立役者となった。順位決定リーグのキーマンに比江島を挙げていた元日本代表・渡邉拓馬氏(京都ハンナリーズGM)は、大舞台で発動した「比江島タイム」の理由に異次元のメンタル、センスを特筆し、「サッカー選手で例えるとメッシ選手のような抜きん出た存在」と絶賛した。(構成=藤井 雅彦)
バスケットボールW杯順位決定リーグ
バスケットボールのワールドカップ(W杯)日本・フィリピン・インドネシア共催大会は31日、順位決定リーグで世界ランク36位の日本が同17位のベネズエラに86-77で逆転勝ち。自力では48年ぶりとなるパリ五輪出場に王手をかけた。チーム最年長33歳・比江島慎が第4クォーター(Q)に17得点を挙げ、両チーム最多23得点をマーク。勝利の立役者となった。順位決定リーグのキーマンに比江島を挙げていた元日本代表・渡邉拓馬氏(京都ハンナリーズGM)は、大舞台で発動した「比江島タイム」の理由に異次元のメンタル、センスを特筆し、「サッカー選手で例えるとメッシ選手のような抜きん出た存在」と絶賛した。(構成=藤井 雅彦)
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フィンランド戦に続いての逆転勝利は、チーム全員が最後まで諦めずに泥臭く、そして自分たちのプレーをやり切ろうとした思いの結実です。
世界ランキング17位のベネズエラは試合巧者でした。ベテラン選手揃いのチームらしく全員がバスケットをよく知っている。日本のキーマンであるジョシュ・ホーキンソン選手を封じるテクニックもさすがで、ファウルを取られないぎりぎりのディフェンスを仕掛けてきました。日本としては終始、手を焼いたのが正直なところでしょう。
第4Q途中までリードを許し、残り8分でこの試合最大となる15点差。この状況だけを切り取ると、ものすごく苦しい試合でした。ただ、序盤から良い形でシュートを打つことはできていましたし、点差ほど崩れた印象もありません。やはり強豪国に対して堂々と渡り合った1次ラウンド3試合の経験が生きていたと感じますし、どんな展開でも自分たちのスタイルを貫けるのが日本の強みです。
こうして考えてみると、日本はどの競技でも逆境をはね返して勝利を手繰り寄せている国かもしれません。まさしく大和魂。技術や戦術はとても大切ですが、その根底にあるのは強い気持ちのはず。そういった魂の部分を表現してくれた日本代表チームを誇りに思いますし、日本列島が沸騰している理由でしょう。
試合の流れを変え、日本を勝利に導いたのは比江島慎選手でした。チーム最年長33歳のベテラン選手ですが、日本バスケット界では誰もが認める実力者。早くから注目されてきた選手で、もっと多くのメディアに取り上げられるべき才能の持ち主です。
この試合、比江島選手は7本中6本の3Pシュートを決めましたが、彼は生粋のシューターではありません。ただ、誰よりも確率が高く、信頼できるスキルを持っている。アウトサイドだけでなく、バランスを崩した難しい体勢からのシュートも得意で、だからこそバスケットカウントも得られる。得点能力に関してはチーム随一のプレーヤーでしょう。