完敗バスケ日本、不発に終わった3P戦術成功へのヒント 渡邉拓馬「馬場雄大の縦のアタックで流れ」
バスケットボールのワールドカップ(W杯)日本・フィリピン・インドネシア共催大会は25日に開幕し、1次リーグE組の日本(世界ランク36位)はドイツ(同11位)に63-81で完敗し、黒星発進。武器の3Pは35本中6本、成功率17%と不発に終わり、18点差をつけられた。この試合を元日本代表・渡邉拓馬氏(京都ハンナリーズGM)はどう見たのか。結果は「現状の力通り」としながら、不発に終わった3P戦術成功へのヒントを見出した。(構成=藤井 雅彦)
バスケットボールW杯1次リーグ初戦
バスケットボールのワールドカップ(W杯)日本・フィリピン・インドネシア共催大会は25日に開幕し、1次リーグE組の日本(世界ランク36位)はドイツ(同11位)に63-81で完敗し、黒星発進。武器の3Pは35本中6本、成功率17%と不発に終わり、18点差をつけられた。この試合を元日本代表・渡邉拓馬氏(京都ハンナリーズGM)はどう見たのか。結果は「現状の力通り」としながら、不発に終わった3P戦術成功へのヒントを見出した。(構成=藤井 雅彦)
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ドイツは最近の親善試合でも調子を上げてきていたチームで、世界ランキングでも日本よりも格上でした。大事な初戦とはいえ難しい試合になることはある程度想定できました。63対81という最終スコアは悔しいですが、ものすごくネガティブなものでもない。現状の力通りの結果と言っていいでしょう。
試合後、トム・ホーバスHCがコメントしていたように、後半は日本がやりたいバスケットをできていました。それを前半できなかった原因はいろいろあると思いますが、初めてのW杯という舞台で緊張しているように見える選手もいて、全体的に硬さが先行してしまった印象です。チームとしての経験不足が序盤のビハインドに表れてしまいました。
その中でも経験豊富な渡邊雄太選手や馬場雄大選手、富樫勇樹選手はドイツの選手に負けじと通常運転できていたように思います。渡邊選手は右足首の痛みが完全に消えたわけではないでしょうし、実戦から遠ざかっていた分、ゲーム体力も戻り切っていなかった。でもコンディション不足を気持ちでカバーするあたりが頼もしいですし、20得点という数字以上に大きな存在です。
馬場選手は大会前の親善試合で調子が出ていませんでしたが、本番に強いところをしっかり見せてくれました。ドイツは3Pシュートを警戒して外へ外へとディフェンスが張る形(スイッチディフェンス)で、簡単に打たせてもらえなかった。ディフェンスのプレッシャーを感じながら少しの隙で打つことは自分のタイミングではなくなるため、なかなか決めるのは難しい。その状況を少し打開したのは馬場選手でした。彼が縦にアタックしたことで、少しずつオープンな状態で3Pシュートを打てる流れができるようになりました。
日本が3Pシュートを武器にしているのはどのチームもスカウティングしているはず。だからこそ前段階としてドライブを有効活用する。そのヒントを馬場選手がプレーで見せてくれました。経験だけでなく覚悟が伝わってくるプレーで、勝ちたいという気持ちにも満ち溢れていました。