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2連勝なでしこ、W杯上位進出を狙うからこその課題 永里亜紗乃「2-0以降の時間帯に物足りなさ」

勝ったからこそ向き合うべき課題「クロスは脅威を与えるには至っていない」

 だからこそ、勝ったから良かったで終わらせるのではなく、課題と向き合ってほしい。序盤の試合運びと得点までの流れは順調でしたが、それ以降の時間帯には物足りなさが残るのも正直なところ。上位進出を視野に入れた時、さらに突き詰められた部分もあると思います。

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 後半に入るとコスタリカは全体のブロックを下げてきました。すると日本は前半のように使えるスペースがなくなり、次第に攻撃が停滞してしまった。最前線の田中美南選手にボールを当てても相手の枚数のほうが多く、関わる選手も少なくなっていました。効果的なパス交換ができなくなるとフィニッシュにつながる回数も減り、決定機も数えるほど。反対にチャンスを作られてしまうシーンもありました。

 これから勝ち上がっていけば相手のレベルが上がります。先制点を許し、引いて守られる状況があるかもしれません。そういった時、コスタリカ戦のような単発の攻撃が続けば得点を奪えない。相手の背後にスペースがなく、中盤のスペースも消されている。そうすると外回りの攻撃でクロスが重要になりますが、精度や工夫の面で脅威を与えるには至っていないのが現状です。

 1点を争うような際どい戦いになればなるほど、セットプレーも重要になります。この試合ではデザインされた形からチャンスを作れていましたが、あれだけフリーの状況を作れていたら決め切らないと苦しい戦いになる。キッカーの質は高いので、ゴール前の質をさらに高めていきたい。2-0で満足するのではなく、追加点を奪いに行く姿勢をもっと強めてほしかったのが本音です。

 2試合を終えた時点で決勝トーナメント進出を決めましたが、W杯本番はここからといっても過言ではありません。第3戦で対戦するスペインは、シンプルに強い。チームとして完成されていて、個々の質も高い。指導者の育成にも力を入れている国で、スタイルの方向性は男子と同じ。しっかりパスをつないで崩すサッカーを趣向しています。

 強い相手ですが、日本としては戦いにくいわけではありません。磨いてきた前線からの守備が機能すれば主導権を握ることも可能でしょう。そして、勝ち上がった際の対戦国を意識するとグループ1位突破が重要になる。スペインも同じ目論見でしょうから、消化試合ではありません。得失点差で劣っている日本が1位突破を決めるには、勝利が絶対条件。

 真っ向勝負で3連勝を目指すゲームに期待します。

(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)

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