なでしこ、5-0大勝の裏で目を引いた20歳DF石川璃音 永里亜紗乃「代表3戦目と思えない落ち着き」
W杯を経験する若手は「短期間でも急激にレベルアップできる」
W杯という大舞台で得られる自信は計り知れないものがあって、若い選手の成長とエネルギーは間違いなくチーム全体にプラスをもたらしてくれるはず。それこそ短期間でも急激にレベルアップできるのが若さの魅力。成功体験でグンと伸びるか、悔しさをバネにするかのどちらかだと思います。
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私自身は、20歳で初めてA代表に選出された時の欧州遠征でドイツと対戦して、相手選手があまりにも速くて絶望感を味わいました。ボールを持っていない私が全力で走っているのに、ボールを持っている選手に追いつかなかった。世界の壁を痛感させられる出来事で、ショックでした。でも、あとで振り返ってみると海外に出て行く必要性を考え始めるきっかけで、それはキャリアの分岐点でもありました。
石川選手と藤野選手はこのザンビア戦で貴重な成功体験を手に入れたと思うので、2戦目以降にどんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみでしかない。ザンビアとタイプが異なるコスタリカのようなチームを相手に臨機応変に対応できれば、さらに伸びていく要素になるでしょう。
守備を固めてくることが予想されるコスタリカに対しては、チームとしても個人としても新たな課題に直面するかもしれません。それこそゴール前に壁を作るようにして守ってくる相手をいかにこじ開けて、得点を奪うか。戦略を踏まえてのメンバー選考も含めて、なでしこジャパンにとって真価が問われるゲームが続きそうです。
FIFAランキングだけ見れば、5-0で快勝したザンビア戦も、次戦のコスタリカ戦も通過点です。そこで見えた課題や修正点を成長に変えて、1試合ずつ戦うごとに強くなっていくチームになる。トーナメントの最も良い舞台まで勝ち進むためのキーポイントでしょう。
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)