川口能活の目 W杯6大会目で見せた初の展開 西野采配の妙と「一番の収穫」
最も印象に残ったのは乾、先制点献上のシーンはパンチング以外の選択肢も…
日本の最前線にいる大迫勇也選手は相手のペナルティエリアから5~10メートルくらいの地点にスタートポジションを取り、それに2列目の香川真司選手、乾貴士選手、原口元気選手が連動していく。この守備陣形によってセネガルはロングボールに頼らざるをえない状況となりました。
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次にポイントとして挙げたいのが、主に最終ラインの選手たちの空中戦における頑張りです。特に吉田麻也選手、昌子源選手、酒井宏樹選手の3人は空中戦でほとんど負けていなかったはず。チームとして相手を単調な攻撃に追い込み、ロングボールに対してはしっかり体を張って制空権を握る。さらにダブルボランチとの距離感が良いためセカンドボールも回収できる展開となり、日本の守備が機能しました。
それだけに先制点を与えたのは痛かったですが、最初のシュートを受けるタイミングでゴールを決めたマネ選手がGK川島永嗣選手に近い位置にいました。当然、視界に入っていたと思いますし、心理的にも非常に嫌な位置にいたことが判断を難しくさせた要因です。技術的には、ボールに当たる面積の小さいパンチングではなく掌で弾くという考え方もあったかもしれませんが、いずれにせよ瞬時の判断が求められる世界です。結果的に守備範囲のシュートだったと思うので、「自分のミス」と話していた川島選手の能力を考えれば同じような失点シーンは2度とないはずです。
1-1にした同点ゴールは、まず柴崎岳選手の自陣からロングフィードに長友佑都選手が走力を生かしてよく追いつきました。ボールを受けた乾選手は得意の角度から素晴らしいコースにシュートを打ったと思います。この同点ゴールによって日本は息を吹き返しましたし、本当に大きな意味を持つ1点になりました。乾選手は守備でも上手く中間ポジションを取ってコースを消し、奪えると判断した場面では積極的にチェイシングしていました。個人的にはこの試合で最も印象に残った選手です。