「THE ANSWER的　オリンピックのミカタ」#72　中野友加里が答える「17のギモン」12問目

「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的　オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。

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　元フィギュアスケート日本代表で「THE ANSWERスペシャリスト」を務める中野友加里さんは、ビギナーファン向けに競技にまつわる素朴な「17のギモン」に答えるミニコラムを大会期間中、毎日掲載。12問目は「フィギュアスケートって選手は寒くないの？」。

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　フィギュアスケートの観戦に行ってみると、最初に驚くことが寒さ。「初めて行かれる方は凄くびっくりされます」と中野さん。スケートリンクなので当たり前といえば当たり前だが、ひざ掛けやダウン着用などの防寒対策は必須。一般的にリンク内は10～12度に設定されることが多い。

　実際に演技をしている選手たちはどう感じているか。

「演技後に汗をかく姿を見ると暑いと思われるかもしれませんが、実はファンの皆さんと同じで寒いです（笑）。特に女子選手は大変。男子は多くの選手が長袖長ズボンで羨ましいですが、薄手のタイツ1枚で、露出が高い衣装が多く、生地も薄い。私は冷え性だったので、なるべく袖のついた衣装にしました。布が1枚あるだけで風の当たり方が違い、トップスピードで滑ると、もろに受けて肌に突き刺さるような感じです」

「寒さ」という点で、忘れられない大会がある。

「北海道の帯広で1月に行われたインカレです。屋外でウォーミングアップをしたら寒すぎて、身体が温まらない。それもそのはずでマイナス25度くらい。仕方なくスケートリンクに入ってもまだ寒く、みんなカイロを貼って演技するくらい。当時、私は運悪くノースリーブの衣装だったので、演技が始まった2分半くらいから『なんて寒いんだろう……』と思ったことがあります。演技中に寒さを感じたのはその時だけです」