アジア杯、5-0発進のなでしこに隠れた課題 永里亜紗乃「すごくもったいなかった」
「期待に応えてくれました」と光った選手とは
そんななか、期待していた選手がボランチに入った長野風花選手です。彼女を見ていて、プレーの選択の仕方とか、ボールの持ち方が、相手をちょっとおちょくると言いますか、サッカーの本質をやろうとしている感じが見受けられるので期待していたんですが、見事にその期待に応えてくれました。前への意識が強くて、縦パスをどう狙うかでワンフェイクを入れていたり、前の2人を意識してプレーしていたり、「やっぱり長野選手だな!」と期待どおりのプレーを見せてくれました。コンビを組んだ林穂之香選手も同じ意識でプレーしていたので、この二人はちょっとずつコンビ力を高めていけるんじゃないかなと感じましたね。
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次戦の相手はベトナムです。日本がボールを持つことは間違いないので、そのボールを持っているときに前を狙うことも大事ですが、奪われないボールの持ち方も大事になると思っています。今日はあまりボールの失い方が良くないと感じたので、奪われないような持ち方、守備に時間を割かなくていいような攻め方を、もうちょっとやっていったほうがいいんじゃないかなと思います。
その方が相手はもっと疲労が溜まってくると思うし、相手の隙を突くためにもっと回して出し入れして、というのをやっていった方が、自分たちが優位に立てます。日本はそれができると思うので、そういった展開をベトナム戦では見たいなと期待しています。
東京五輪が終わって、新たに池田太さんが新監督に就任しました。今回は、新体制で最初の国際大会です。池田監督の話を聞かせていただいて、その通りだなぁと思うこともたくさんありましたし、期待できると思うところもありました。監督が代わると求められることや、やることも変わるので、チームに漂っていた負のオーラをこの機会に一掃できるチャンスだと思っています。気持ちを切り替えて、明るく、ポジティブに、どんどんチャレンジしていくような姿勢が見られることを、新しいなでしこジャパンには期待しています。
今大会は、来年に迫った女子W杯の出場権を懸けた大会でもあります。でも正直、意識しなくても出場権は取れると思うので、全く意識しなくていいと思います。相手と自分たちとを分析したうえで、自分たちが上だとちゃんと分かっていると思うので、精神的にも優位に立っているはずです。ですから、目指すところはアジアカップ3連覇です。そういう考え方じゃないと、W杯では戦えません。なので、まずは3連覇を目指し、そのうえで内容が問われる大会になると思います。初戦が始まったばかりですが、決勝までしっかりと新生なでしこジャパンを見届けたいと思います。
(THE ANSWER編集部)