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「お化けフォーク」はなぜ消える? 千賀滉大のように投げたい中高生が学ぶべきこと

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる様々な“見方”を随時発信する。多くのプロ野球選手も加入するパフォーマンスオンラインサロン「NEOREBASE」主宰、ピッチングストラテジストの内田聖人氏は投手の“球”を独自の「ミカタ」で解説する。

米国戦で2回5奪三振無失点と好投した千賀滉大(ソフトバンク)【写真:Getty Images】
米国戦で2回5奪三振無失点と好投した千賀滉大(ソフトバンク)【写真:Getty Images】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#54

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる様々な“見方”を随時発信する。多くのプロ野球選手も加入するパフォーマンスオンラインサロン「NEOREBASE」主宰、ピッチングストラテジストの内田聖人氏は投手の“球”を独自の「ミカタ」で解説する。

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 日本の侍ジャパンは2日の準々決勝・米国戦に7-6で延長10回サヨナラ勝ち。準決勝進出を決めた。7投手がリレーした投手陣で際立った一人が4番手の千賀滉大投手(ソフトバンク)だ。2イニングを3者連続を含む5奪三振で1安打無失点。「お化け」と言われるフォークが光った。その凄さとともに、千賀のようなフォークを投げたい中高生への考えを明かした。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

 ◇ ◇ ◇

 劇的な勝利を飾った日本ですが、千賀投手は素晴らしい内容でした。

 故障明けということが心配されましたが、千賀投手が千賀投手のピッチングをした感じ。この日はフォークはもちろんですが、ストレートも速くて、高めで空振りを取れていたし、カットボールも良かったです。

 打者からすると、高めの甘い球に目付けしていたら、ストレートは高めに伸びてくるし、フォークは低めに落ちてくる。あれだけ速くて強いカットボールを投げられる投手はなかなかいません。本当に嫌な投手です。

 その上で、改めて語る必要もないですが、フォークはやっぱり凄い。何より誰が見ても分かるくらいに落ちる。ストライクからボールの低めへ、ボールの高さからストライクへ。テレビの映像で見て、あそこまで落ちる投手もまた、なかなかいません。

 千賀投手のフォークはジャイロ成分が強い。加えて、あれだけ落差があると、普通は球速が出づらい。これは私が指導するアマチュアの選手もそうですし、私自身もそうです。にもかかわらず、140キロを超える球速が出ることが凄い。

 その要因は、全身を使ってボールに力を加えられていること。それでいて、強いジャイロ成分のまま、発射を浮かすことなく投げる。ストレートと同じ軌道に乗せられたら、よく言う「消える」現象が起きる。一流の打者でも打つのは難しい球だと思います。

 通常、シーズンを戦っているNPBの選手も空振りをしてしまうくらいですから、いくら米国といえど、初見で打つのは極めて難しいはずです。

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