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「お化けフォーク」はなぜ消える? 千賀滉大のように投げたい中高生が学ぶべきこと

ピッチングストラテジストの内田聖人氏【写真:荒川祐史】
ピッチングストラテジストの内田聖人氏【写真:荒川祐史】

千賀のようなフォークを投げたい中高生へ、学ぶべき本質は「向上心」

 フォークを武器にする中高生なら、みんな千賀投手のようなフォークを投げたいと思います。

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 しかし、敢えて言わせてもらうと、千賀投手と握りを真似しても、千賀投手のフォークは投げられるとは限りません。フォークは難しい球種。カーブのように自分で回転をかける球種じゃなく、指の長さによっても指の圧力によっても軌道が変わるからです。

 今大会の記事で繰り返していますが、まずは手先だけじゃなく全身で投げること。あとは良いところを盗みつつ、自分の体に置き換えて調整していくことが大切です。それが、上手くなる上での本質にあると思います。

 ただ、一つ言えるとするなら、千賀投手のような野球人になろうということ。

 千賀投手は私が主宰するオンラインサロン「NEOREBASE」に参加していただいており、今年1月には千賀投手の自主トレに私が2日間参加。今もたまに連絡を取らせてもらっていますが、一番に思うのはストイックに裏打ちされた向上心が凄まじいこと。

 日本を代表し、世界に通用するあれだけの投手が、常に上手くなろうとしている。現状維持は退化といいますが、まさにそんな意識を持っている。子供たち、野球選手に限らず学ぶべき姿に感じますし、私もここで止まっていちゃダメだと影響を受けています。

 シーズン中ですら、自分の体を実験台にしてトーレニングをしている。今まで接してきた野球選手はシーズン中は“調整”に走るイメージでした。なのに常に進化を求めている。この点は本当に尊敬しています。

 千賀投手のように常に上手くなろうという意識をもって、日々取り組むこと。これが、千賀投手のフォークに近づく一番の近道です。

■内田聖人 / Kiyohito Uchida

 1994年生まれ。早実高(東京)2年夏に甲子園出場。早大1年春に大学日本一を経験し、在学中は最速150キロを記録した。社会人野球のJX-ENOEOSは2年で勇退。1年間の社業を経て、翌19年に米国でトライアウトを受験し、独立リーグのニュージャージー・ジャッカルズと契約。チーム事情もあり、1か月で退団となったが、渡米中はダルビッシュ有投手とも交流。同年限りで指導者に転身。昨年、立ち上げたオンラインサロン「NEOREBASE」は総勢400人超が加入、千賀滉大投手らプロ野球選手も多い。個別指導のほか、高校・大学と複数契約。自身も今年自己最速を更新する152キロを記録。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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