敗退なでしこはすべて出し切って負けたのか 永里亜紗乃「組織の責任はあまりに重い」
「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信する。苦戦しながらグループリーグ突破を果たしたサッカーの女子日本代表・なでしこジャパンが30日、準々決勝で強豪・スウェーデンと対戦し、1-3の敗戦。ベスト8で大会を後にした。元日本代表FWで2015年ワールドカップ(W杯)カナダ大会準優勝メンバーの解説者・永里亜紗乃さんはこの試合にどんな「ミカタ」を持ったのか。(構成=藤井 雅彦)
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#41
「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信する。苦戦しながらグループリーグ突破を果たしたサッカーの女子日本代表・なでしこジャパンが30日、準々決勝で強豪・スウェーデンと対戦し、1-3の敗戦。ベスト8で大会を後にした。元日本代表FWで2015年ワールドカップ(W杯)カナダ大会準優勝メンバーの解説者・永里亜紗乃さんはこの試合にどんな「ミカタ」を持ったのか。(構成=藤井 雅彦)
【注目】育成、その先へ 少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信する野球育成解決サイト『First-Pitch』はこちらから
◇ ◇ ◇
サッカーの世界に勝敗は付き物です。どんなに強い国もチームも、負けることは必ずあります。だから負けが必ずしもダメなわけではなく、考えるべきなのは負け方の部分だと思います。
なでしこジャパンは本当の意味で5年間しっかり準備し、すべてを出し切ったうえで負けたのでしょうか。選手個々の技術は間違いなく10年前よりも上がっています。それをチームとしての強さにつなげられないのは、準備段階に問題があったからと思わずにはいられません。
スウェーデン戦では選手たちの姿勢に変化が見て取れました。グループリーグの3試合はメリハリのないプレーが多かったですが、この試合の特に前半は一人ひとりに「何かをしてやろう」という強い意志が見えました。守備ではボールへ寄せるスピードが速く、体もしっかり張れていました。攻撃では、少しでもスペースがあればドリブルで仕掛けるアクションが随所にあった。
早い時間帯に失点してしまいましたが、下を向くことなく底力を発揮して同点に追いついたところに成長を感じました。相手の左サイドを崩してからのクロスという形で得点シーン以外にもチャンスを作り出し、チームとしての狙いも感じられました。VARによってPKが取り消しになったのは良い流れに水を差したという意味で痛かったですが、両チームが平等なルールに基づいて戦っているのですから気持ちを切り替えるしかありません。