なぜゴルフのスロープレーがいけないのか 北田瑠衣の主張「日本ツアーでも罰金を」
最大50万円超の罰金が科せられる米ツアー、日本ツアーでは?
プレーが速ければ速いほどいいというわけではありません。一打に集中していいプレーが見せられるのであればそれがいい。一方で時間をかければいいプレーができるわけでもないのが難しいところ。個々のルーティーンやペースもあります。
【注目】育成、その先へ 少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信する野球育成解決サイト『First-Pitch』はこちらから
ただ、プレーが遅い選手はだいたい決まっているというのも事実としてあって、それを不満に思う選手がいることも感じています。スロープレーに対して、日本でももっと厳しくしてもいいと思っています。米ツアーでは1回目は警告、2回目からは高額な罰金(※)、が科せられます。実際に米ツアーに出場していた日本人選手が罰金を科せられたこともありました。
(※)米LPGAツアーでは今年からスロープレーの罰則を強化。1ストローク30秒以内を目安とし、パー4なら120秒(30秒×4)で自身のプレーを完結することがノルマに。また1ストローク70秒を超えると「警告」が出され、2回目の違反で1000ドル(約11万円)、複数回繰り返した場合は5000ドル(約55万円)もの罰金が科せられることも。JLPGAツアーでは1回目は警告、2回目は1罰打、3回目は2罰打、4回目で失格。
個人的には米ツアーと同じように、日本ツアーでも罰金を積極的に採用すべきと思っています。イエローカード(警告)は出ますが、なかなかペナルティを取らない。2罰打が科せられたのも過去に数人しかいません。どんどんペナルティを出したほうがいいと思っています。ゴルフはミスが出るスポーツですし、時間をかけて慎重に打ちたくなる気持ちもわかりますが、一緒に回るプレーヤーに迷惑をかけないことが大事。米ツアーと同じくらい厳しくしていいと思います。
そうなると大事になってくるのが明確な基準。プレー時間には前の組や、さらにその前の組も影響してきます。また悪天候、風、コンディションにも左右されます。どこからが計測の対象になってくるのか、明確に決める必要があります。不公平がないように、きっちり1打〇秒以内とか、どこから計測に入ってストップウォッチを押すのかとか、色々と考えていく必要はありますね。
勝負の世界ではありますが、優勝した選手やすごくいいプレーした選手に対しては心から称えたいものです。プレーファーストを大事にしてほしいのはプロだけではありません。アマチュアの方も一緒に回って楽しかったな、気持ちよくプレーできたなという思いは同伴競技者と共通したものですから。
■北田瑠衣/THE ANSWERスペシャリスト
1981年12月25日生まれ、福岡市出身。10歳でゴルフを始め、福岡・沖学園高時代にナショナルチーム入り。2002年プロテストで一発合格し、03年にプロデビュー。04年はニチレイカップワールドレディスでツアー初優勝し、年間3勝で賞金ランク3位。05年には宮里藍さんとペアを組んだ第1回女子W杯(南アフリカ)で初代女王に。06年から10年連続でシード権を保持した。男女ツアーで活躍する佐藤賢和キャディーと17年に結婚し、2児のママとして子育てに奮闘中。
■「THE ANSWER」お悩み相談室「Q&A」
「THE ANSWER」では、ジュニア育成や競技力向上に関する相談や質問を募集しています。部活でうまくいかないこと、トレーニング法、指導法、食事・水分補給の仕方、睡眠などカラダのこと、女性アスリートならではの悩み……。あなたの疑問に、現役&元アスリート、専門家の方々がお答えします。
詳細は以下の質問フォームから
(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)