大谷翔平が受けた「PRP療法」って何? スポーツ界注目の「注射」は何がスゴイのか
日本ハムからメジャーほぼ全球団による大争奪戦の末にエンゼルス移籍が決まった大谷翔平投手。米メディアによる一連の狂想曲では、その右肘に注目が集まった。米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」が今年10月に右肘にPRP療法を受けていたことを報じたことが発端。ロサンゼルス・エンゼルスのビリー・エップラーGMは大谷に対する予防的な措置と発表したが、米ヤフースポーツは内側側副靭帯に軽度の損傷を負っていると報じるなど、二刀流のスーパースターの剛腕の状態をアメリカも注目している。
専門家に聞くPRP療法の効果…怪我した組織の修復を促進し、体への負担も少ない
日本ハムからメジャーほぼ全球団による大争奪戦の末にエンゼルス移籍が決まった大谷翔平投手。米メディアによる一連の狂想曲では、その右肘に注目が集まった。米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」が今年10月に右肘にPRP療法を受けていたことを報じたことが発端。ロサンゼルス・エンゼルスのビリー・エップラーGMは大谷に対する予防的な措置と発表したが、米ヤフースポーツは内側側副靭帯に軽度の損傷を負っていると報じるなど、二刀流のスーパースターの剛腕の状態をアメリカも注目している。
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日本ではまだあまり馴染みのない「PRP療法」とはいったい、どのような治療法なのだろうか。サッカー元日本代表MF中村俊輔(磐田)ら、トップアスリートの専属トレーナーを務める新浦安しんもり整骨院入船院・新盛淳司院長に話を聞いた。
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PRP(多血小板血漿)とは、血小板を高濃度に含んだ血漿のことです。採血した自分の血から精製し、患部に注射をします。怪我した組織の修復の促進が期待され、スポーツによる怪我に対して、体の負担が少ない治療方法として、注目されています。
肘や膝蓋靱帯、アキレス腱の故障、ハムストリングの肉離れなどに用いられるケースが増えています。ヤンキースの田中将大投手は2014年の右肘靭帯の部分断裂時、メジャーの投手で一般的な治療法となっている靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)ではなく、PRP療法を選択しました。
田中投手はシーズン中に公式戦に復帰し、今季もポストシーズンで活躍しました。私がチーフトレーナーを務めるサッカーのJFLブリオベッカ浦安でも過去に膝の故障でPRPの注射を受けた選手がいました。エコーを見ながら患部に注射しますが、かなりの痛みを伴います。注射後も患部への痛みは数日間、続きました。
大谷選手は10月12日に右足首の手術を受けています。一定期間、投球できない空白期間が生まれたことで、その間にピッチャーにとっての生命線である肘にPRP療法を障害予防の目的で注射した。そういう狙いは大いに考えられると思います。