羽生結弦の連覇なるか 小塚崇彦が語る、五輪の「無意識の意識」という名の敵
「面白い戦いをしてくれる」…小塚氏が注目する若い新星は誰?
フェルナンデスは羽生を抑え、15年から世界選手権を連覇。今季初戦でも逆転Vを飾った。宇野は昨季の世界選手権で羽生に続く2位に迫り、今季初戦は自己ベスト世界歴代2位となる高得点で優勝。ジンとチェンは「新・4回転時代」を切り開き、チャンはソチ五輪で羽生に続く銀メダルを獲得。いずれも現在のフィギュア界のトップ層に君臨する。
「羽生選手もそうですが、フェルナンデス選手はミスするところをあまり見ない。ここぞという時に力を発揮します。ただ、宇野選手、チェン選手、ジン選手はフリップ、ルッツといった新しい種類のジャンプを持っている。トウループ、サルコウより高い得点が期待できるので、かなり大きな得点源になります」
こう話した小塚氏によれば、今シーズン、未知なる可能性を秘めた若き新星も出現しているという。
「ヴィンセント・ジョウ選手(米国)です。昨シーズンの世界ジュニアチャンピオンで、8月にローカル大会ですが、難しい空中姿勢での4回転のフリップとルッツを両方成功させた。ジュニア上がりの選手ですが、ジャンプが跳べると技術点数が出る。グランプリ(GP)シリーズの戦い方によっては、面白い戦いをしてくれるのではないか。成長著しい選手です」
とはいえ、羽生らが目指す五輪は4年に1度の大舞台だ。小塚氏自身、10年バンクーバー大会で8位入賞。世界選手権ともGPファイナルとも異なる雰囲気があり、それが五輪の本当の難しさであるという。自身の体験をもとに、こう明かした。
「意識しないと思っていても、必然的に五輪を意識するシチュエーションがどんどん出てくるんです」
無意識に意識が生まれる空間は、意外にも到着時の空港からスタートするという。