アジアカップで日本人審判に集まった称賛 名物監督との絡みにも注目…山下良美氏は大会初の快挙
現地10日までカタールで行われたサッカーのアジアカップ(杯)はホスト国カタールの連覇で幕を閉じた。5度目の優勝を狙った日本代表は準々決勝で敗退したものの、“もう一つの日本代表”は今大会で新たな歴史を築いた。山下良美審判員は68年の歴史を誇る大会において、女性で初めての主審を担当。快挙は海外メディアでも報じられ、アジアサッカー界に新風を吹き込んだ。他の日本人審判も活躍。今大会で話題を集めた名物監督との絡みにも注目が集まった。
アジアカップで活躍した3人の日本人主審
現地10日までカタールで行われたサッカーのアジアカップ(杯)はホスト国カタールの連覇で幕を閉じた。5度目の優勝を狙った日本代表は準々決勝で敗退したものの、“もう一つの日本代表”は今大会で新たな歴史を築いた。山下良美審判員は68年の歴史を誇る大会において、女性で初めての主審を担当。快挙は海外メディアでも報じられ、アジアサッカー界に新風を吹き込んだ。他の日本人審判も活躍。今大会で話題を集めた名物監督との絡みにも注目が集まった。
【注目】「運動すると胸って垂れる?」「もめば大きくなるって本当?」 バストにまつわる“あるある”なウワサ話に答えます(W-ANS ACADEMYへ)
○山下良美審判員
2022年カタールW杯でも史上初の女性審判員に指名された山下氏は、アジア杯でも1月13日のグループリーグ(GL)オーストラリア―インド戦で大会史上初の女性主審としてピッチに立った。副審も坊薗真琴氏、手代木直美氏の日本人女性審判員2人。実はこの試合、第4審判に荒木友輔氏、リザーブ副審に三原純氏、VARを木村博之氏、アシスタントVARを飯田淳平氏の各審判員が務め、全7人が日本人という“オールジャパンセット”だった。
山下氏は90分、大きなトラブルもなく毅然としたレフェリングで試合をコントロール。両国監督や選手と挨拶をしながらピッチを後にした。シンガポールのスポーツジャーナリストであるジョン・ダイクス氏は、自身のX(旧ツイッター)で「優秀なヨシミ・ヤマシタがこの任にあたっているのを見ることは素晴らしいことだ。彼女にとってまた一つの歴史が刻まれた」などと投稿。海外ファンからも「完全にコントロールしていたと言わざるを得ない 素晴らしい努力におめでとう」「彼女はとても良かったと思う」などの声が上がった。
17日には木村氏が主審を務めたGLカタール―タジキスタンで、山下氏が第4審判を担当。カタールの決勝点直前に木村氏がタジキスタン選手と接触しながらプレーが続けられたことに、タジキスタンのペタル・シェグルト監督が激怒したが、山下氏は他のシーンを含めベンチ横で毅然とした対応を取ったことも話題になった。
○荒木友輔審判員
今大会、日本人審判員はシェグルト監督と縁があったようで、決勝トーナメント1回戦のタジキスタン―UAE戦の主審を荒木氏が担当。PK戦の末に勝利したシェグルト監督から真っ先に握手された。この試合、荒木氏は前半終了間際、タジキスタンのパルヴィズジョン・ウマルバエフが自陣ペナルティエリア内でハンドを犯したとUAE側が主張したがPKを与えず、そのまま前半終了。国際映像の英語解説はVAR介入の可能性を指摘しながらも、判定が覆らなかったことに「私は嬉しいですよ」などとハンドをとらなかった判定を称賛していた。
○飯田淳平審判員
飯田氏はGLキルギスーサウジアラビア戦で主審を担当。副審も三原純氏と聳城巧氏が務めた。前半9分、キルギス選手がサウジアラビア選手にスパイク裏を向けたタックルを仕掛け、飯田氏は一発退場を宣告。当初はイエローカードを提示していたが、VARの介入でレッドカードに変更。ピッチが騒然とする中、毅然とした態度を見せた。
後半7分には、キルギスのMFキミ・メルクがサウジアラビアのMFハッサン・アル・タンバクティにスパイク裏を向けたタックルで一発退場。これも最初はイエローだったが、VAR介入を経てレッドカードに変更した。どちらのプレーも大怪我につながりかねない悪質なプレーだっただけに、的確な判断で試合をコントロールした。飯田氏は準決勝の韓国―ヨルダン戦でアシスタントVAR、カタール―イラン戦も第4審判を担当した。
(THE ANSWER編集部)