“ヤンチャ坊主”が競泳界の有名人へ 19歳・吉田啓祐が農家を継ぐ前にすべきこと
胸に秘める思い「将来は佐賀でゆっくり過ごす。家を造り直してあげたい」
「目標を持つこと、人としての生き方を竹村先生から学べたと思います」と吉田。徐々に伸びていく成績と比例して、高2になると初めて日の丸、五輪に対する思いも生まれた。「高校に入って変われたので、日本代表という夢もちょっとずつ近づき、入りたいという気持ちが強くなってきた」と回顧。それから、わずか2年で掴んだ今回の代表切符だった。
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19歳は男子最年少。それでも、持ち前の強心臓で臆することはない。代表では「ずっと喋っている」という吉田。松元克央に「お前は5秒に1回、ボケないと生きられないのか」と言われるほど、ひょうきんぶりを発揮する。その分、先輩に対しても積極的にコミュニケーションを取り、自分の泳ぎに生きるヒントを探している。
「皆さん、優しくしてくださって、チームになじみやすい雰囲気を作ってくれてありがたい。だから、本当に遠慮なく、聞くことができるので」と感謝。一方で「ちょっといじられたりするけど、若いので練習も積極的に、元気に行ってチームの雰囲気作りを底上げできたら」と最年少としてチームの盛り上げ役に一役買っている。
イアン・ソープ(オーストラリア)、孫楊(中国)を目標にしているという大器は初の世界水泳で800メートルリレーの一員として挑む。世界の大舞台でも、らしさを発揮するつもりだ。
「タイムは個人で1分47秒0を持っているけど、世界水泳ではそれより絶対速いタイムで泳いで、僕がアンカーじゃなくても1位で引き継ぐ思いを持ってやりたい。リオ五輪のメンバーに劣らないくらいのタイムで、自分が今後引っ張っていけるような存在になっていきたい。まず1年目から爆発していきたい」
佐賀の“ヤンチャ少年”から代表まで駆け上がった競技人生。両親から家業について言われることはなくなったが、孝行息子はひっそりと胸に秘める思いがある。
「お父さんは別の仕事をしていて、農家をやっているのはお母さんとおばあちゃん。2人でやっているのもきついと思う。僕が家を守っていかないといけないと思っている。将来、引退してからテレビに出て、その後は佐賀でゆっくり過ごしたい。稼いだ分で家も造り直してあげたいです、住みやすい家に」
憧れの東京で水泳にのめり込み、素質が花開き、初めて背負う日の丸。まずは水泳界のスターへ。将来、佐賀に帰るまでに、やるべきことがある。
(明日20日の第29回は大橋悠依が登場)
◆世界水泳、テレビ朝日系で連日中継 21日に開幕する競泳は、決勝をテレビ朝日系地上波、AbemaTVで最終日まで8夜連続放送。予選はBS朝日、AbemaTVで放送する。
(THE ANSWER編集部)