世界水泳福岡・ハイダイビング

　世界水泳福岡（テレビ朝日系で中継）は25日、ハイダイビング男子1-2ラウンドが行われた。男子はビル9階相当の高さ27メートルから飛び込むエクストリームスポーツ。日本人初出場となった荒田恭兵（富山県スポーツ協会）は2本合計102.00ポイントの22位だった。27日の3-4ラウンドにも出場する。

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　福岡の浜辺に建てられた巨大な飛込台。地上27メートルの場所に立った荒田は感激していた。母国開催。「今までに感じたことのない声援が勇気になった」。1本目は体が伸びきらなかったが、2本目は「今までで一番の完成度」と胸を張る試技。「バシャッ！」と音を立てて飛び込むと、拍手と歓声は一層大きくなった。

　ハイダイビングは世界最古のエクストリームスポーツとも呼ばれている。高飛込の飛込台は10メートルで、実に3倍近い高さだ。入水時は時速100キロに及ぶほど。大きな衝撃がかかるため、必ず足から入水することが求められている。

　荒田はもともと飛込の選手で、2017年の日本選手権シンクロ高飛込で優勝。日体大卒業後、五輪を目指すか引退するかで迷ったが、どちらも前例ある道だったため日本人初のハイダイビング競技者になることを決めた。2019年には着水後に気絶。一瞬で意識は戻ったが、「実力不足。恥ずかしい」と鍛錬を重ねた。趣味は「崖探し」。日本ではしっかり許可を取って福井・東尋坊でも飛び込んだ。

　27メートルの高さは「今でもめちゃくちゃ怖い」と明かす。それでも「準備を積み重ねた結果、恐怖心を乗り越えて成功した瞬間は何よりも爽快感を感じられるし、生きてるって感じられる」と話した。絶景の中で、美しい技を繰り出す非日常的な魅力を持つ競技。「いろんな人に声をかけてもらって、めちゃくちゃ力になる。実際にお見せできる機会がなかなかなかった。自分自身かみしめつつ、見ている方にもいろいろと感じてもらえれば」と明るい表情を見せた。