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「結婚したから幸せ、ではなく…」 女性アスリートの人生を豊かに…“多拠点婚”の先に描く未来――カーリング・吉田知那美

プロリーグの姿勢に感銘を受けたという吉田【写真:増田美咲】
プロリーグの姿勢に感銘を受けたという吉田【写真:増田美咲】

女性アスリートの選択肢を増やす、プロリーグの姿勢に感銘

 吉田さんは今年4月に開幕するカーリング初のプロリーグ「ロックリーグ」に参加することが決定している。欧州、カナダ、アメリカ、アジアから6チームが参加し、男女混合のチーム構成となる。アジアチームのキャプテンを務める吉田さんがプロリーグに参加する大きな理由は、人生を豊かにしていくためにアスリートの選択肢を増やしていける世界が待っているからである。

「男子と女子が一緒のチームになって競うリーグであり、性別も国籍も年齢も関係ありません。私のチームもいろんな国籍の選手がいて、いろんな考え方に触れて自分の価値観を広げていくことがテーマでもあります。そして何より、ライフイベントがあったとしてもトップカーリング選手であることを諦めなくていい場を、リーグが提供していくというところに感銘を受けました。カーリング選手としての活動の選択肢を増やしていければ、結婚したら家庭に入らなきゃいけないとか、妊娠は競技に関わらない時にしなきゃいけないとか、そういった固定観念が次世代では皆無になる程薄まっていくとも思うんです」

 吉田さんは忙しい合間を縫って大学生として心理学を学んでいる。ライフイベントが女性アスリートの人生の妨げとならないために、人生の選択肢を増やせていける世界をさらに拡大していくために。

 苦渋ではなく、能動を。みんながそういった選択ができるような世界が来ることを、吉田さんは信じている。

【カーリング・吉田知那美さんの「心とカラダが満たされていると感じる瞬間」】

「カーリングをしている時ですね。そもそも健康じゃなければ氷上に上がってカーリングをできないし、心の状態が落ち着いていなければ、カーリングを見る気持ちすら湧きませんから。どちらも満たされて初めて、競技をしっかりやれるという感覚が私にはあります」

※「THE ANSWER」では今回の企画に協力いただいた皆さんに「心とカラダが満たされていると感じる瞬間」を聞き、発信しています。

■吉田 知那美 / Chinami Yoshida

 1991年7月26日生まれ。北海道北見市(旧常呂町)出身。ロコ・ソラーレ所属。カーリングが盛んな常呂町で7歳から競技を始める。中学生だった2006年の日本選手権ではトリノ五輪代表のチーム青森を破る金星を挙げた。高校卒業後はカナダへ留学し、帰国後に北海道銀行フォルティウスに加入。14年ソチ五輪に出場し5位入賞を果たすが、戦力外通告を受けた。地元に戻った同年6月、ロコ・ソラーレに加入。16年日本選手権での初優勝、世界選手権で日本勢初となる準優勝の快挙を皮切りにチームの躍進を支えると、18年平昌五輪で銅メダル、22年北京五輪で銀メダルを獲得した。私生活では22年7月26日に、アルペンスキー元日本代表で現在は、全日本スキー連盟アルペンチームの男子チーフコーチを務める河野恭介さんとの結婚を発表した。

(二宮 寿朗 / Toshio Ninomiya)


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二宮 寿朗

1972年生まれ、愛媛県出身。日本大学法学部卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。2006年に退社後、「Number」編集部を経て独立した。サッカーをはじめ格闘技やボクシング、ラグビーなどを追い、インタビューでは取材対象者と信頼関係を築きながら内面に鋭く迫る。著書に『松田直樹を忘れない』(三栄書房)、『中村俊輔 サッカー覚書』(文藝春秋、共著)、『鉄人の思考法~1980年生まれ戦い続けるアスリート』(集英社)、『ベイスターズ再建録』(双葉社)などがある。

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