「負けが怖い時もある」 無月経を経て「+4kg」決断…150連勝中の金メダリストが探す本当の強さ――レスリング・藤波朱理
「THE ANSWER」は3月8日の国際女性デーに合わせ、さまざまな女性アスリートとスポーツの課題にスポットを当てた「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を展開する。今年は「心とカラダを満たす『幸せ』の選択」をテーマに、3日から12日まで10日間にわたってアスリートのインタビューを掲載。高みを目指し、心身両面で全力を尽くすアスリートたちの姿を通して、一人ひとりの女性が“自分らしく”、幸せな日々を過ごすためのヒントを探す。

「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」10日目 藤波朱理インタビュー後編・階級変更
「THE ANSWER」は3月8日の国際女性デーに合わせ、さまざまな女性アスリートとスポーツの課題にスポットを当てた「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を展開する。今年は「心とカラダを満たす『幸せ』の選択」をテーマに、3日から12日まで10日間にわたってアスリートのインタビューを掲載。高みを目指し、心身両面で全力を尽くすアスリートたちの姿を通して、一人ひとりの女性が“自分らしく”、幸せな日々を過ごすためのヒントを探す。
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連載最終回となる10日目は、パリ五輪レスリング女子53キロ級で金メダルを獲得した藤波朱理(日本体育大)の後編。無月経の症状を抱え、減量にも限界を感じていたなかで、2025年4月に57キロ級への階級変更を表明した。この決断に至るまでの経緯や「+4キロ」となった日々で生まれた変化、2階級制覇を目指す28年ロサンゼルス五輪への想いなどを聞いた。(取材=長島 恭子、構成=THE ANSWER編集部)
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五輪という舞台はアスリートにとって、その他の世界大会と何が違うのか――。そんな率直な疑問をぶつけると、藤波朱理は少し視線を上げながらこう答えた。
「4年に1回のタイミングに自分のピークを持っていくことの大変さ。本当に実力、努力だけでは補えないものがあるんじゃないかなって……」
20歳で出場した2024年夏のパリ五輪。藤波は開幕4か月前の3月に、左肘の脱臼と靭帯断裂という重傷を負っただけでなく、高校2年生からの4年間にわたって無月経の症状にも悩まされていた。そんな苦難を乗り越えての金メダル獲得だっただけに、冒頭の言葉にも重みが増す。
「だからこそ魅力があるなと思いますし、競技の祭典ということで注目度も違う。世界選手権も同じ世界一を争う大会ですけど、オリンピックは全然格が違うイメージですね」
多くのアスリートにとっての夢の舞台を、藤波は今、再び目指している。2028年ロサンゼルス五輪の開幕まで残り2年半を切るなかで、パリ五輪前とは見ている景色も、取り巻く環境もすべてが変わった。
25年4月、藤波はSNSで53キロ級から57キロ級への階級変更を正式に表明。「またゼロからのスタートだなという感覚でした」と心機一転の船出となったが、じつはその決断を下したのはもっと前に遡る。
「(パリ)オリンピックの1年くらい前から、53キロ級は今回が最後と決めていました。生理が止まっていたというのも、大きかったです。体がサインを出しているんだなって」
藤波はパリ五輪前の4年間、月経が止まっていたため、JISS(国立スポーツ科学センター)スポーツクリニック婦人科で検査を実施。特に異常は認められなかったため、ストレスの影響が考えられた。
レスリングのような階級制競技では減量は避けては通れない。しかし藤波自身、通常時60~61キロの体重から、試合に向けて2か月間で7、8キロを減量することに、パリ五輪前から限界を感じていたのも事実だ。
食べること自体が「大好きです!」と笑顔を見せる22歳は、大学進学後に「体重が増えやすくなった」と感じており、「かなり大食いではあるので、めちゃくちゃ食べようと思えば食べられるタイプ。気を抜けば体重もポーンと増えちゃう」と日頃から体重管理に気を配ってきた。身長164センチの体格を考えた上でも「生理が来ていないこともあったし、自分はもう階級を上げないとな」と感じ、コーチである父・俊一さんをはじめ周囲に相談。パリ五輪での金メダルを経て、新たな階級での挑戦をスタートさせた。
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