月経が「4年間止まっていた」 五輪金メダルの裏で起きていた体のSOS、胸に刺さった母の言葉――レスリング・藤波朱理

パリ五輪で目標を達成、大会後に自然と来た月経
そして2024年8月、大会直前の負傷も乗り越えた藤波は目標としていた金メダルを獲得。その2、3か月後、止まっていた月経が再開した。
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「(月経が再開した時の気持ちは)『おーっ』ていう感じでした」と藤波。「自分の中でプレッシャーを感じている感覚はなかったんですけど」と切り出し、言葉を続ける。
「やっぱり、心と体って繋がっているのかなと思いましたし、体は正直だなと思いました。たぶん本当にメンタル的な部分、オリンピックという舞台で金メダルを獲って、ホッとして生理が来たような感覚だったので。カロリーとかではない感覚があったので、心と体って正直だなって」
無意識のうちに起きていた体の中の異変。世界の頂点を目指す戦いのなかで、体への負荷は確実に蓄積していた。そこに無意識のプレッシャーが重なり、それが無月経という形でSOSのサインを出していた。
しかし藤波にとっては、女性アスリートに特化したクリニックへの通院を後押しした母の言葉と、選手の思いに寄り添いながら導いてくれた医師の存在が大きかった。あらゆる面において、周囲のサポートがあってこそ、パリ五輪までの4年間を駆け抜けることができたのだ。
そしてこの経験が、藤波にアスリートとしての新たな挑戦を決意させる。57キロ級への階級変更、そして2028年ロサンゼルス五輪での2階級制覇の偉業達成に向けて動き出した。「自分がレスリングを楽しむことが今は一番」と語るその笑顔には、パリ五輪までの道のりで見せていた表情とはひと味違う、安堵したような想いが満ちあふれていた。
■藤波 朱理 / Akari Fujinami
2003年11月11日生まれ、三重県四日市市出身。ソウル五輪代表候補だった父・俊一と、兄・勇飛の影響を受けて4歳でレスリングを始める。中学時代に頭角を現すと、父が監督を務めるいなべ総合学園高校へ進学。女子53キロ級に参戦し、高1でインターハイ優勝を果たすと、高2で全日本選手権、高3では世界選手権を制覇した。2022年に日本体育大学へ進んだ後も連勝記録を伸ばし続け、20歳で出場した24年パリ五輪で金メダルを獲得。大会後に57キロ級への階級変更を表明し、25年12月の全日本選手権では同級で優勝。連勝記録を「150」に伸ばした。26年4月からはレスター所属が決定している。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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