月経を「タブー視しない環境作りを」 女性が言いにくい日本社会の変化へ、元五輪選手ら提言
有森裕子氏が月経をテーマにしたシンポジウムの継続を明言
有森氏は「言いにくさ」の背景に教育があることを指摘。「子供の頃から、生理のことを隠して生きてくれば、大人になってから急に『生理休暇を取りなさい』と言われても申告しにくい。改めて、子供の教育の段階から(月経は恥ずかしいもの、隠すものではないことを)伝えないといけないと思った」。
選手と指導者間で対話を作るための環境作りについては、小学生時代から性別を問わず月経を学ぶことや、チーム内で月経のレクチャーの時間を設けることの重要性のほか、「これまで女性アスリートを見てきた男性指導者が、選手の月経周期や月経にまつわるコンディションの情報をどう集めて、どんな風にコミュニケーションをされているかの情報がほしい」(朝原氏)、「例えばトレーナーやメディカルスタッフ、マネージャーなども、選手と指導者の架け橋になりえる」(医学系研究科健康スポーツ科学講座スポーツ医学・中田研教授)と、実績のある指導者の経験や周囲の協力が力になる、といった意見が上がった。
「スポーツを通し、体と向き合ってきたオリンピアンや現役アスリートたちも、出身校などに足を運び、学生たちと一緒に月経について考え、対話する流れができると望ましい」とは有森氏。最後に、全国各地で月経をテーマにしたシンポジウムや会議を続ける重要性と、これをUNIVASで継続していく考えを示し、シンポジウムは閉会した。
(THE ANSWER編集部)