陣痛から32時間かかった難産 日本女子サッカーの未来へ、実体験から伝える岩清水梓の提言
840日ぶりの公式戦ピッチ、夢は「長男と一緒に入場したい」
女性である以上、妊娠・出産は避けては通れないライフプランの一つである。それは女性アスリートにとっても同じだ。妊娠・出産をするかどうかも、そのタイミングも人それぞれ。しかし、選択肢はたくさんあったほうがいい。決めるのは、自分自身だ。
2021年11月20日、岩清水は840日ぶりに公式戦のピッチに戻ってきた。
「長男と一緒に入場したい」
母になってからの夢はまだ道半ばだが、「まずはスタメンにならないといけない。自分の頑張り次第なので、戦い中です。そのために頑張りたい」と笑顔を見せる。プロサッカー選手として燃え尽きるまで、母としての夢を叶えるまで、岩清水梓はサッカーボールを追い続ける。
その姿が後輩たちに新たな道を作り、経験を伝えていくことが自分の使命だと信じて。
【女性アスリートが自分らしく、ありのままでいるために、必要なこととは?】
「自分がママになってもサッカーを続けたいと思ったように、私はこうやって、こうなりたいと思った人が、それをみんなから応援される世の中になったらいいなと思っています。また、これからは女性アスリートも我慢することなく、やりたいと思ったことをやりたいと思っときに実現できる世の中になっていくといいなと思います」(女子サッカー選手 日テレ・東京ヴェルティベレーザ 岩清水 梓)
※「THE ANSWER」では今回の企画を協力いただいた皆さんに「女性アスリートが自分らしく、ありのままでいるために、必要なこととは?」と聞き、発信しています。
(「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」3日目は「女性アスリートとジェンダー」、車いすラグビー・倉橋香衣が登場)
■岩清水 梓 / Azusa Iwashimizu
1986年10月14日生まれ、岩手県出身。小学1年からサッカーを始め、中学1年にNTVベレーザ(現日テレ・東京ヴェルディベレーザ)のアカデミー組織・NTVメニーナのセレクションに合格。高校生になるとトップチームのベレーザに昇格。以来、ベレーザ一筋の生え抜き。日本代表でもアンダー世代で活躍し、2006年にA代表デビュー。2011年のドイツW杯では世界一に輝き、男女通じて日本サッカー界初となる快挙を成し遂げた。所属チームではなでしこリーグを12度制覇。代表では北京とロンドン(銀メダル)と五輪に2度出場、W杯には3度出場(優勝、準優勝各1度)。日本の女子サッカー界を代表するDF。
<3月6日に「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」オンラインイベント開催>
女子選手のコンディショニングを考える「女性アスリートのカラダの学校」を6日に開催。第1部は「月経とコンディショニング」をテーマに元陸上日本代表・福士加代子さんをゲストに迎え、月経周期を考慮したコンディショニングを研究する日体大・須永美歌子教授が講師を担当。第2部は「食事と健康管理」をテーマにボクシング東京五輪女子フェザー級金メダリスト・入江聖奈をゲストに迎え、公認スポーツ栄養士の橋本玲子氏が講師を担当。1、2部ともにアスリートの月経問題などについて発信している元競泳日本代表・伊藤華英さんがMCを務める。参加無料。応募は「THE ANSWER」公式サイトから。詳細(https://the-ans.jp/event/224770/)。
(THE ANSWER編集部・出口 夏奈子)