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「ムキムキな男性に混じる」抵抗も払拭 20歳女子クライミング選手、「女性限定」大会を開催した理由

Team CW-Xの石井未来(右)も参加しBaby Schoolが実施された【写真:山田智子】
Team CW-Xの石井未来(右)も参加しBaby Schoolが実施された【写真:山田智子】

知識と実践の両面から女性クライマーの悩みに寄り添う

 そして小倉が最もこだわったのはコンペティションとは別に、女性が長く楽しくクライミングを続けるためのセミナー「Baby School」をセットで開催することだ。

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「Baby School」とは、CW-Xのブランドスローガンである「Be a better you」(より良い自分になる)を体現する活動で、小倉も名を連ねる「Team CW-X」のメンバーが、コンディショニングの重要性や体を動かすことの大切さを伝えている。今回はワコール人間科学研究開発センターの研究成果を基に、股関節や下半身の効果的な動かし方や生理との付き合い方など、女性が快適に楽しく登り続けるためのコンディショニングの大切さについてのレクチャーを行った。

「成長期に入ると、女性ホルモンの影響で体が大きく変化します。小さい頃は体重が軽いので指の力だけで登れるんですけど、成長するとそれだけでは登れなくなる。私は体つきが変わっても、これまで通りに指だけで登ろうとして骨折をした経験があります」

 知識があれば、怪我を避けることができるかもしれない。小倉と同じTeam CW-Xメンバーで、日本代表クライマーの石井未来が、「身長やパワーがない女性でも、全身を上手く使えば、指や腕に無理がない動きでゴールを目指せる」ことを実演。コンペ参加者が上手く登れなかった課題を2人がスムーズにクリアしていくと、「すごーい」と感嘆の声が上がった。

「今回のBaby Schoolに参加してくれたキッズたちが、同じような悩みにぶつかった時に、今日のセミナーのことを思い出して、乗り越えられる未来になったら嬉しいですし、大人の女性も、日々のクライミングライフをもっと快適に楽しく過ごしてほしいですね」

 クライミングを一緒に楽しむ“チームメイト”が増えていく未来へ――。小倉は女性クライマーの悩みに寄り添いながら、その実現を目指していく。

(山田 智子 / Tomoko Yamada)


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山田 智子

愛知県名古屋市生まれ。公益財団法人日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後、フリーランスのスポーツライターに転身し、東海地方を中心に、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートなどを題材にしたインタビュー記事の執筆を行う。

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