バレー日本代表入りで「ママ行かないで」 せがむ愛息へ、35歳岩崎こよみが誓う完全燃焼のパリ
ママアスリートを目指す次の世代へ「実現できる環境を」
ママアスリートは増えつつあるとはいえ、岩崎の周囲では結婚、出産をきっかけにバレーを諦める選手が少なくなかった。「まだまだできそうなのに、辞めちゃうんだな……」。簡単ではないが、自分が両立できれば次世代に道を示せる。
「後の世代の子たちがそういう希望を持った時、それが実現できる環境を作っておきたい。そのために自分がちゃんと復帰して、出産前より価値があるといわれるようにならないと、後に続く選手がやりづらい。そういう気持ちはあります」
代表期間中は、電話越しの息子の声に癒しをもらう。「オンオフの切り替えの部分で助けてもらっています」。大変なことばかりではなく、むしろ得られるものも大きい。
眞鍋監督にはブロックの強さも買われ、正セッターの期待がかけられる。ベテランとして、主将でエースの古賀紗理那を支える役割も担う。「寂しい気持ちは抜けないけれど、残り約1か月、全力でやりたい」。パリで獲ったメダルを我が子に見せるため、トスの精度を磨き上げる。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)