3週間で計4kg減量、最後はグミ生活に… ボクシング金メダル入江聖奈が明かす体重管理
月経中の体重は「維持」の考え方がベスト、無理な減量はストレスに
入江選手の現状について一通りヒアリングが終わると、まず月経中の減量の難しさについて橋本さんが説明した。
本当にしんどかった重い生理痛 婦人科医に相談、服用し始めたピルが私には合った――サッカー・仲田歩夢選手【私とカラダ】
月経前に体のむくみなどの不調を感じる人も多い。それは黄体期と呼ばれ、もともと減量がしにくい時期。ここで無理に体重を落とそうとするとストレスになり、「維持する方にシフトする」という入江選手の考え方はベスト。
また、月経前の不調である月経前症候群(PMS)の緩和に有効とされるのが、規則正しい睡眠や生活、定期的な運動。カルシウムやビタミンB6、マグネシウムを積極的に摂取し、逆に脂質を控え目にすると効果があるという。
さらにアスリートの減量の進め方について橋本さんが解説。最も重要なポイントは、筋肉量を維持しながら体脂肪量を減少させることだ。
「急速減量をする方もいますが、それは水分やグリコーゲンが失われることが多く、筋力や持久力の低下、体温調整機能の低下などの弊害があります。理想は3~6週間かけて摂取カロリーを減らしたり、運動で消費したりして調整することです」
これを受けて入江選手は「頭ではできるだけ長い期間でゆっくり落としていった方がいいと分かっているんですけど、6週間で減量すると思うと、ちょっとウッと思っちゃう」と本音。伊藤さんも「減量していくというのはある種、試合までに精神を研ぎ澄ますことと似ていると思うので、その長さは気になります」とアスリート目線でフォロー。改めて、減量中のオススメの食べ物について橋本さんに訊ねた。
事前にグミを購入し、食べてみたという橋本さんは「噛み応えがあるので、もしかしたら減量中にあれだけ噛めると満足感があるのかなと感じました」とコメント。入江選手も「めちゃくちゃその通りです!」と満足の返し。
グミは糖質がほとんどで、品にもよるが、水あめや砂糖が中心なのですぐにエネルギーに変わる。ただ、運動前に摂取する分にはいいが、寝る前だとすぐにお腹が減るのではないかと橋本さんは指摘した。代わりに「腹持ちがいい」というおにぎりを提案。しかし、1個で150グラム程度あるおにぎりに入江選手は物足りなさを感じるため、同じ重量で3袋食べられるグミの方が満足感があるといい、グミからは離れられない様子だった。
入江選手の根底にあるのは、食べ物を重量で考えるボクシング競技の特殊な思考だ。しかし、長い目で見ると、やはりアスリートは体に必要なものを摂ることが望ましい。入江選手の食生活から見えてくるのは圧倒的なタンパク質の摂取量の少なさ。
さまざまな食材を紹介した橋本さんは、必要な栄養素に優先順位をつけながら、グミに代わるものを少しずつ摂ることで、よりコンディションが上がっていくとアドバイスを送った。入江選手は「納豆が好きなので、取り入れやすいかなと思います」とコメント。橋本さんも「頭の片隅に覚えていただいて、今後、少しずつ改善されていくといいと思います」とエールを送った。