「試合中に経血が漏れないか不安です」 登坂絵莉が向き合った学生選手の切実な悩み
登坂選手が最も勉強になったピルの知識「若い子に伝えやすくなった」
こうして活発に互いの経験、考えを交わした1時間。最後に登坂選手と須永教授からメッセージを送った。
【特集】「タブーなしで考える女性アスリートのニューノーマル」 THE ANSWER的「国際女性ウィーク」特設サイトはこちら
登坂選手は「イベントの中で私の減量法も伝えましたが(レポートvol.1参照)、それ(短期的な減量)をマネするのではなく、私の場合は長期的な減量が合わず、私のやり方にたどり着いたので。基本は専門の先生と相談して、長期的に落としていくことが体にとっても良いと思っている。『このアスリートがこの減量だから』と言って、そのまま選択するのはしてほしくないと思っています」と改めて呼びかけた。
一方、須永教授は「イベントに参加している方が少しでも(指導者から)選手だったり、(保護者から)娘さんだったりに言ってみようと思えることがあればうれしいです」と語り、さらに「今日は私自身も貴重な話を聞けて、勉強になりました。私も研究者として、新しい知見を世の中にどんどん発信して、スポーツ現場で使ってもらえるように努力していきます」と締めくくった。
イベント終了後に取材に応じた登坂選手。
今回参加した理由について「中高生くらいの子たちの方が生理に抵抗ある。でも、女性に当たり前にあること。そこを恥ずかしがる必要はないし、もっと理解を深めて競技、生活のプラスにしてもらえたら」と明かし、「私自身、自然に生理や減量と付き合ってきて、あまり考えたり勉強したりしたことがなかった。女性アスリートのコンディションを考えるきっかけになり、すごく勉強になった」と充実した表情で語った。
「最も勉強になったこと」については質問コーナーのトピックを挙げた。「ピルは私も使ったことありますが、人によって副作用は違う。私もピルを使い始めたのは25歳くらい。若い子がいつから使えるか知らなかったし、そういう知識も教えてもらい、今度は聞かれた時に選択肢を挙げ、メリット、デメリットもあると伝えやすくなりました」と話した。
その上で、今回の参加者に「一番伝えたいこと」として、改めて想いを語ってくれた。
「中高生は過度な減量をしないでほしいです。目先の結果だけじゃなく、長い目で一人の人間として考えてほしい思いがあります。また、私は生理が止まったことがありましたが、『別にいっか』と思っていた部分がありました。今になってみると、もっと真剣に考えないといけない問題でした。来なきゃいけないものがこないのは大変なこと。そういうことがある子は一度病院に行って、対処法を見つけてほしいと思います」
(終わり)
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)