「お尻が歩いてる」冷かされた豊満ヒップが武器に 38歳の1児ママ、ビキニと出会って「初めて人に選ばれた」
年齢別の日本一を争う日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)主催のボディコンテスト「オールジャパン・マスターズ・フィットネス・チャンピオンシップス」が9月28日、岡山芸術創造劇場で行われた。ビキニフィットネス35歳以上160センチ以下級で38歳・田中江梨は初出場で4位入賞。出産を機にトレーニングを始め、コンプレックスだったという大きなヒップが武器となった競技の魅力を聞いた。
各コンテストで輝く選手たちを紹介「ボディコンテスト名鑑#66 田中江梨」
年齢別の日本一を争う日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)主催のボディコンテスト「オールジャパン・マスターズ・フィットネス・チャンピオンシップス」が9月28日、岡山芸術創造劇場で行われた。ビキニフィットネス35歳以上160センチ以下級で38歳・田中江梨は初出場で4位入賞。出産を機にトレーニングを始め、コンプレックスだったという大きなヒップが武器となった競技の魅力を聞いた。
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――4位入賞でした。今のお気持ちは。
「初出場で、決勝に残れただけでありがたかったです。『ホンマに!? 夢が実現していくってこんな感じなのか』と。信じられないです」
――トレーニングを始めたきっかけは。
「4年前に出産したのを機に始めました。10キロくらい太ってしまい、『ヤバイ。これは今やらないと』と。近所にあったゴールドジムに入会して、最初は水泳やランニングをしていたんです。トレーニングの初回プログラムのようなコースがあって、せっかくだからと思ってやってみたら、担当してくれた女性のトレーナーに『大会、向いていますよ』と言われて。私は『そんなのがあるんですか?』みたいな感じだったんですが」
――そこからのめり込んだ理由は。
「私、単純なんで(笑)。『これやって』と言われたら、それをひたすらやってしまうんです」
――これと決めたら突っ走れる。
「そうそう、まさにそんなタイプです。トレーナーさんが『あなたこっちですよ~』と方向を決めてくれるメンターになってくれて、私はイノシシのように突っ走るだけ(笑)。凄く良い人に巡り合って、私の道を作ってくれた。私はただ『これをやったらいいですよ』『毎日10回5セットやりましょう』と言われることをやっていったら、いつの間にか世界が広がっていた感じです」
――とはいえ第1子の育児は大変だったのでは。
「子育てをすると、自分の時間がなくなるじゃないですか。子供のためにすべてを使っているから、自分という存在が消されるというか……。でも、トレーニングをしている時間だけが、唯一、自分の時間だったんです。それが凄い楽しくて。その時だけ夫にお願いして子供を見てもらっていました。トレーニングがなかったら、本当にすることがなくて、スマホでちょっと買い物するくらい。でも、お金で買えるものに価値はない。墓場まで持っていけるものが欲しいですよね」
――自身の武器は。
「お尻ですかね。昔から『プリケツ』とか『お尻が歩いてる』『アヒルみたい』とか、めちゃめちゃ言われて、それが恥ずかしくて、お尻が大きいの嫌だなと思っていたんです。でも、それを逆に評価してもらえるのはうれしいです」
――コンプレックスも魅力に変えられるこの競技ならではですね。
「私は何か人に選ばれるタイプじゃない。昔から尖っていて個性的で、打たれやすいタイプ。『普通の恰好しなさい』と排除されるような。でも、競技では凄く評価をしてもらえて、個性として『あなたはあなたでいい。あなたみたいな選手はいない』と。初めて人に認めてもらえる、選ばれる経験ができた。それが凄くうれしいです」
――今後の目標は。
「トレーニングが楽しくて。応援してくれる人に恩返しがしたいです。あとは今、大阪・天満橋で『クルージム24』という小さなジムで働いているんですが、もっと盛り上げたい。DIYのジムで、私もペンキを塗っています(笑)。器具は少ないのですが、ありとあらゆる知恵を使って、限られたマシンでどこまでいけるのか。とにかくアイデア勝負で、工夫してやっています」
(THE ANSWER編集部)