各コンテストで輝く選手たちを紹介「ボディコンテスト名鑑#63　小倉あれず」

　身長別の日本一を争う日本ボディビル・フィットネス連盟（JBBF）主催のボディコンテスト「オールジャパン・フィットネス・チャンピオンシップス」が9月29日、岡山芸術創造劇場で行われた。ビキニフィットネス158センチ以下級では27歳の小倉あれずが初優勝。高校時代は強豪校でバレーボールに打ち込み、現在は歯科衛生士、パーソナルトレーナー、ポージング指導と3つの仕事を掛け持ち。“休み0日生活”でこの競技に懸ける想いを聞いた。

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――昨年2位から見事に初優勝です。プレッシャーなどもあったのではと思いますが。

「いや、楽しかったです。私は勝ちたいからとかではなく、楽しいからこの競技をやっているので。この競技が好きで、この1年間、死ぬほど頑張りはしたけど、ステージはたったの数分。そこにどれだけ懸けられるか。審査員の方はどれだけ自分が頑張って来たかは知らない。なので、ステージの上ではビキニフィットネスの愛を伝えられるようにと思っています。だから、今回も楽しかったです」

――「死ぬほど頑張って来た」とは具体的に。

「全部に妥協しないこと。100％だったら優勝はできない。100％じゃなく150％を出さないといけない。人と同じじゃなく、その上を行くという気持ちでやっています」

――高校時代は強豪・国学院栃木でバレーボールに打ち込んできたそうですね。

「春高もインターハイも国体も出ました。最高は16強です。リベロで部長もやっていました。厳しい環境で、髪も短くないといけないし、恋愛も禁止だし……（笑）」

――強豪校の部活ならではですね。女性らしさを求めるビキニフィットネスとのギャップも凄い。

「でも、バレーボールでやったことが全部、今のビキニフィットネスに生きています。団体競技をいっぱいやったから、個人競技は凄く自分に向いている。自分でやった分が結果になってくるので。練習もハードで、合宿は30泊31日。とにかく、しんどかった。今、何かしんどいことがあっても全部、乗り越えられると思います（笑）」

――妥協を知らない姿勢はバレーボールで培ったものなんですね。

「そうですね。小・中・高は全部バレーに捧げてきたので」

――仕事も歯科衛生士、パーソナルトレーナー、ポージングの指導と3つを掛け持ちされているとか。

「月～木は栃木にいて、月と水は歯科衛生士、火と木はポージングとパーソナル。木曜午後から東京に行って、日曜までポージングとパーソナルをやっています」

――整理すると、休みが1日もないのですが……。

「ないです（笑）。自分のトレーニングはその合間で、夜の12時からスタートする時もあります。この競技は正直お金もかかるので、自分で働いて、稼いで、好きなことをやっているという感じです。そういう人でも勝てるよということを見せたいと思っています」

――ビキニフィットネスの愛を語っていましたが、改めてこの競技の魅力を教えてください。

「私は自分に自信があるわけじゃないんです。でも、ステージに立っている自分だけはすっごい大好きで。1年に1回くらいしかない舞台。毎日毎日、この日のために1年間努力して、たったの数分しか見せられないけど、その数分間に全部の想いを乗せられることが最高に楽しいんです」

――今後の目標は。

「最終的には世界で優勝したいです。それを叶えたら競技は引退して、教える側に回ってこの競技の魅力を伝えていきたいですね」