人工透析の夫に腎臓の1つを提供 選手生命に黄信号も「片腎レギンスアスリート」が諦めないワケ
大会がモチベーションに「極端な目標があるから続けられる」
「極端な目標があるから続けられる。モチベーションキープのためにやっている感じです。『健康にいいかな』ぐらいだったら続かないんですよ。『大会で絶対優勝したいから』と思うと食事制限や断酒もできるんです」
食生活を見直し、本格的にトレーニングに励んだ結果、半年後には血圧も正常値に下がった。
「禁酒もできているし、体重も17キロも減った。結果的には良いこと尽くめなので、これを続けていきたい。『もういいや』と思った瞬間、メタボな生活に逆戻りすることは分かっているので」。自分の性格を理解しているからこそ、高い目標を設定できるボディコンテストをまだ諦めたくない。
「楽しいです。体の変化が見えるのが凄く嬉しいです。努力した分だけ『あ、シルエットが変わっている!』と思える。憧れの姿に近づくのはやっぱり嬉しいですね」とトレーニングの魅力を語った山本。自分に自信がつき、「内向きな悪循環から外向きな好循環へと変わっていく感じがある」という。
腎臓病になるかもしれないという恐怖から始めたトレーニング。確かな効果を実感し、憧れに近づく喜びを知った。
「やめられないですね」
暗中模索の道のりだが、まだ歩みを止めるつもりはない。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)