ソフト日本が金メダル! 13年ぶり五輪で2-0米国撃破、上野由岐子は涙で「夢」結実
東京五輪のソフトボール世界ランク2位の日本は27日、決勝(神奈川・横浜スタジアム)で同1位の米国を2-0で下し、2008年北京五輪に続く実施2大会連続の金メダルを獲得した。39歳の上野由岐子は今大会4度目の先発で5回0/3を無失点。一度交代した後に最終7回にも再登板し、3者凡退に抑えた。24年パリ五輪は実施されない中で永遠のライバルを倒し、再び世界一の座を手にした。
ソフトボール決勝、日本VS米国のライバル対決
東京五輪のソフトボール世界ランク2位の日本は27日、決勝(神奈川・横浜スタジアム)で同1位の米国を2-0で下し、2008年北京五輪に続く実施2大会連続の金メダルを獲得した。39歳の上野由岐子は今大会4度目の先発で5回0/3を無失点。一度交代した後に最終7回にも再登板し、3者凡退に抑えた。24年パリ五輪は実施されない中で永遠のライバルを倒し、再び世界一の座を手にした。
上野は初回に2度三塁に走者を置くピンチを招いたが、後続を抑えて無失点だった。米国は3回無死一塁で先発左腕のキャサリン・オスターマンから右腕アリソン・カルダにスイッチ。日本は2死一、二塁にチャンスを広げたが、無得点に終わった。それでも、4回2死一、三塁、9番・渥美万奈が二塁へのゴロで一塁にヘッドスライディング。執念の内野安打の間に三塁走者が先制のホームを踏んだ。
一進一退の攻防が続く中、5回2死一塁で米国は35歳のモニカ・アボットを3番手で投入。しかし、直後に藤田倭(やまと)が右前適時打を放ち、日本は追加点をもぎ取った。塁上の藤田はベンチに向かって雄叫び。リードをもらった上野は5回まで1安打5奪三振無失点に抑えた。6回先頭に左前打を許したところで降板。今大会、好リリーフを見せてきた20歳の後藤希友に後を託した。
後藤は1死一、二塁の大ピンチ。痛烈なライナーが三塁手の山本優を襲い、グラブで弾いたボールが遊撃手の渥美の方向へ飛んだ。これをノーバウンドでキャッチすると、二塁に転送して併殺打に仕留めるビッグプレー。ナインも日本ベンチも拍手喝采の好守が生まれた。上野は再び出場できる「リエントリー」で最終7回に再登板。最後の打者を捕邪飛に抑え、米国打線を3者凡退に切ってとった。
優勝が決まった瞬間、選手たちは歓喜の輪を作った。4試合で389球を投げた上野は、宇津木麗華監督と抱き合って大粒の涙を流した。
ともに全勝だった日本と米国は26日の1次リーグ最終戦で激突。藤田倭が先発し、7回にサヨナラソロを被弾して1-2で敗れたが、上野と今大会好リリーフを見せてきた20歳の後藤希友を温存していた。
ソフトボールは、日本が金メダルを獲得した08年北京五輪以来3大会ぶりに五輪競技として実施。前回は上野が2日間413球を投げ抜く大車輪の活躍を見せ、悲願の金メダルを掴みとった。「上野の413球」と語り継がれた伝説の決勝から13年。優勝を夢に掲げ、39歳となってもエースに君臨する上野とともに2度目の金メダルを手にした。
過去4大会で3度金メダルの米国は、前回大会に続いて決勝で日本に敗れ、2大会ぶり4度目の金メダルはならず。メキシコとの3位決定戦を制したカナダが銅メダルとなった。
【日本と上野の今大会成績】()内は上野の登板成績
21日オーストラリア戦 〇8-1(4回1/3無失点、2安打7奪三振、85球)
22日メキシコ戦 〇3-2(6回2失点、5安打10奪三振、121球)
24日イタリア戦 〇5-0(登板なし)
25日カナダ戦 〇1-0(6回無失点、4安打4奪三振、94球)
26日米国戦 ●1-2(登板なし)
27日米国戦 〇2-0(6回無失点、1安打5奪三振、89球)
(THE ANSWER編集部)