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「慎さんスクラム」で王者撃破へ 3季ぶり復帰、長谷川コーチが築く“ヤマハスタイル”

2016年日本代表欧州遠征時のHO日野(中央手前)とPR伊藤(中央右)【写真:出村謙知】
2016年日本代表欧州遠征時のHO日野(中央手前)とPR伊藤(中央右)【写真:出村謙知】

大型FWの神戸製鋼スクラムにどう対抗「いかに8人で組めるか」

 長谷川コーチの復帰もあって、自分たちのスクラムがバージョンアップしている自信を感じ始めているのは確かなようだ。もちろん、「慎さんのスクラム」のベースにあるのは日本代表でも徹底された「8人で組む」こと。

「企業秘密の部分もあって言えないことも多いですけど、基本は日本代表でもよく言われていたように『8人で組む』こと。トヨタの大きなFW に対して、自分たちがコンパクトにまとまって組めば勝てる。ひとりひとり8人の責任があって、それを全員が果たせた」(日野)

 大型FWという面では神戸製鋼もトヨタに引けを取らないチームだ。

「神戸にはスクラムにこだわりを持つベテランPRもいるし、1対1で戦ったら負ける。いかに8人で組めるか。トヨタにはハマったが、神戸に対してハマるとは限らない。プランBの用意も重要になる」

 長谷川コーチはそんなふうに王者に対するスクラム戦でのポイントを語る。

 確かに、PRだけピックアップしても平島久照、山下裕史の先発陣は合わせて93キャップを誇る、長年にわたってジャパンのスクラムを支え続けてきたベテランコンビ。リザーブにはW杯で人気者となったパワフルな中島イシレリが控える。

 もちろん、迎え討つヤマハ発動機のフロントロー陣も、いったんはジェイミージャパンのメンバーに名を連ねながらW杯の舞台には立てなかった選手(PR山本幸輝、同・伊藤平一郎、HO日野)ばかりが並ぶだけに、リベンジに近い気持ちもあるだろう。

「今年はスクラムで勝つ」

 BK出身の堀川監督がそう宣言するとおり、とてつもない手応えを感じ始めているセットプレーで優位に立ててこそ、ヤマハ発動機の王者討ちの可能性が見えてくる。

(出村 謙知 / Kenji Demura)

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