「私は審判を批難しない、これが人生だ」 誤審で先制弾が幻、敗退を毅然と認めた主将【W杯事件簿】
1930年の創設から今回のカタール大会で22回目の開催となるFIFAワールドカップ(W杯)。4年に一度、世界一の称号をかけて激突する大会ではこれまで数々の事件が起こってきた。2002年日韓大会では金星を手繰り寄せたと思われたベルギー代表主将のシュートがまさかのノーゴール判定。後に主審が誤審を謝罪するという異例の事態だった。
W杯で起こった事件を振り返る
1930年の創設から今回のカタール大会で22回目の開催となるFIFAワールドカップ(W杯)。4年に一度、世界一の称号をかけて激突する大会ではこれまで数々の事件が起こってきた。2002年日韓大会では金星を手繰り寄せたと思われたベルギー代表主将のシュートがまさかのノーゴール判定。後に主審が誤審を謝罪するという異例の事態だった。
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何の問題もないはずだった。2002年日韓大会、日本と初戦で引き分けたベルギーはグループリーグを2位で突破し、決勝トーナメント1回戦でブラジルと対戦。スコアレスで迎えた前半36分、ベルギーの主将を務めたMFウィルモッツが右クロスを頭で合わせる鮮やかな一撃で先制ゴールを決めたと思われた。
しかし、主審はシュートの前に反則があったとしてノーゴールの判定。ほとんど接触プレーもなかっただけに、納得がいかなかったウィルモッツはハーフタイムに主審を問いただした。すると主審は「映像を見たがファウルはなかった」と答えたという。一部報道では、主審はその場でウィルモッツに謝罪したとされている。試合はブラジルが2点を奪い、敗れたベルギーは16強で姿を消した。
この誤審はFIFA100周年記念の際に作成されたDVD「FIFA FEVER」の中で「サッカーW杯における世界10大誤審」の第3位として収録されている。それでも“幻のゴール”となったウィルモッツは「私は審判を非難しない。これが人生。これがサッカーだ。他のいかなるリーグでも起こり得ることだ」と毅然とした態度で敗戦を受け入れた。
(THE ANSWER編集部)