1泊3万円なのに「地獄の暑さ」 カタールW杯開幕の裏で相次ぐ問題、食事も「ぼったくり」
サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)が20日に開幕した。史上初めて中東で行われるサッカーの祭典。しかし、早くもサポーターの宿舎や食事を巡り、問題が噴出し、各国で取り上げられる事態になっている。
サポーターが利用する宿舎や食事のサービスに不満の声が噴出
サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)が20日に開幕した。史上初めて中東で行われるサッカーの祭典。しかし、早くもサポーターの宿舎や食事を巡り、問題が噴出し、各国で取り上げられる事態になっている。
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まずは宿舎だ。開幕前に記事を掲載した英紙「ガーディアン」は開幕2日前の時点で受け入れ態勢が整っていない施設があると指摘。21日に米国―ウェールズ戦が行われるアフメドビンアリー・スタジアムに隣接する「The Rawdat Al Jahhaniya」を取材し、サポーターが泊まる数百の海上コンテナの横にフォークリフトとブルドーザーが放置されていたとし、「驚くべきこと」として、この宿舎はダブルルームで1泊172ポンド(約2万8700円)と伝えた。
FIFA公式サイトでも紹介された施設だが、記事では「映画館などがあるとなっているが、見当たらない」などと指摘。さらに、同紙は「ファンに疑問符を付けられているのは、The Rawdat Al Jahhaniyaだけではない」とし、英紙「タイムズ」が報じた宿泊施設「Ras Bu Fontas」についても言及した。
タイムズ紙は1日6000人を受け入れる同施設の業者2人のコメントを紹介し、1人は「地獄だよ。キャビン内の冷房はほとんど効かず、まるで戦闘機の離陸時のような音がする。それに一日中つけていても27度だ。あのうるさい音では夜つけないよ」、別の1人はシングルベッドについて「岩のように硬く、床で寝た方がいいんじゃないか。こんなに居心地の悪いところは初めて。悪夢だ」と語ったという。
また、英公共放送局「BBC」も「1泊175ポンド(約2万9200円)のファンビレッジ」と題した記事を掲載し、宿泊者を取材。2週間滞在する日本人は「昼間は地獄のような暑さ。砂漠です。暑すぎます」と嘆き、メキシコの応援に来たスペイン在住の夫婦は「1泊175ポンドです。正直言って、予想外でした」と言い、「世界中をバックパックしているよう。並みのホテルじゃない」と話したという。利用者にとっては驚きを隠せない環境のようだ。
さらに、食事についても不満の声が。英紙「ザ・サン」によると、サポーターが会場外で食事を楽しむファンゾーンについて「W杯のファンゾーンの食事のレベルが酷評されている。涙が出るほど高い値段にも疑問の声が」とコスパの悪さを指摘。「4万人ほどが世界中からサッカー最高のショーを見に来ると見込まれているが、空腹の状態で来るべきではない。なぜならがっかりさせられるだろうから」と辛辣につづった。
実際のメニューを「あまり美味しそうに見えないグリークサラダ」9ポンド(約1500円)、「極めて気落ちさせるナチョス」4.6ポンド(約766円)と皮肉を込めながら紹介。現地を訪れたファンの「ぼったくりだよ」「うちのウサギの方がいいサラダ食ってる」「断トツで過去最悪のW杯になる」などの声も紹介した。
初めて中東で行われる今大会は、気候や治安などの理由から、開催を巡って否定的な声があったことも事実。大会期間中、現地を訪れるサポーターが少しでも満足できるような環境が整ってくれることを願いたい。
(THE ANSWER編集部)